白花タンポポの簡単な発芽方法|気軽に手軽にシロバナタンポ

可愛らしく神秘的なシロバナタンポポを自分の手元で愛でてみたい!でもピンセットを使うような細かい作業までできるでしょうか?いえ、もっと気軽に手軽に発芽させましょう。そんな方法を解説します。試行錯誤し、気軽で簡単な方法で、発芽率を4割へと改善することができました。雨さえ降れば、ほったらかしでもいいんです。沢山の種子がある場合は、こんな気軽な方法でも楽しめます。沢山の方々に可愛らしい白花バナタンポポを楽しんでいただければ幸いです。

この方法のポイントは「シロバナタンポポ以外の種が飛び込んでこない様に防ぐ」ことです。案外盲点になります。私も一番最初はこれで失敗しました。空には、我々が思っている以上に綿毛が飛んでいます。そして、西洋タンポポ系の種は発芽しやすく育ちやすいのです。したがって、本来シロバナタンポポの種を蒔いた、小さな芽がでた種を植えたつもりでも、西洋タンポポの生命力に駆逐され、楽しみに育てていたら「アッ黄花だった!」ということになりかねません。
(下の画像は自宅で開花したシロバナタンポポ)
自宅で発芽したシロバナタンポポ

最新情報芽出し法」やピンセットを使った細かい作業がお好みで無い場合などは次の記事もご覧ください。ちょっと工夫を加えた、もう少し気軽な方法です。「ホーリーバジルの種を確実に発芽させる方法|好光性種子の発芽法」シロバナタンポポも好光性種子なのでお役に立ちます。市販の培養土は弱酸性なので、水道の水をかけても土の酸性度が支配的になります。したがって、この方法なら弱酸性の水にこだわる必要は低くなります(もちろん弱酸性の水であれば理想的です)。

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1.新情報new改良さらに簡単で効果的な方法:卵容器のドーム

(1)生卵のパッケージを切って透明な屋根を作る

ホーリーバジルは好光性種子なのでシロバナタンポポと同じような発芽特性です。ホーリーバジルの種は直ぐに土に潜ってしまい光が当たりません。しかし光を優先して土の表面に置くだけでは乾燥しがちで発芽率は今一つでした。そこで、二回目の種まきの際に、生卵のパッケージを切って透明な屋根を作ることにしました。

実際に、生卵のパッケージを切って透明な屋根を作ってみると、大変良い塩梅になりました。まず、光を通しながらも、種を乾燥から守ります。そして、種が発芽した際にも、ドーム型になっているので、発芽したばかりの弱い芽を抑えつける心配はありません。

また、水を遣る場合にドームの上からかけると、種を上手に避けて周辺部へ水が流れていきます。小さい種の場合は、種に直接水がかかってしまうと、種が土の中に流れ込んでしまいがちです。

(2)卵容器のドームの優れている点

卵容器のドーム(生卵のパッケージを切って作る透明な屋根)を使って、ホーリーバジルを発芽させる場合の優れている点は次の通りです。

  • 光を通しながらも、種を乾燥から守ります。
  • 種が発芽した際にも、ドーム型になっているので、発芽したばかりの弱い芽を抑えつける心配はありません。
  • 水をドームの上からかけると、種を上手に避けて周辺部へ水が流れていきます(種が水で地中へ流されません)。
  • 適度な隙間がありますので、湿度過多になりません。
  • コストはゼロ円です。

2.ポイント:①弱酸性の土②弱酸性の水を使う③ポットに種子2つ直播き④ネットで覆う

結論から言いますと、シロバナタンポポを発芽させるには、①弱酸性の土と②弱酸性の水が必要です。この二つがそろい「トータルで弱酸性の環境」にならないと、シロバナタンポポの発芽率は改善されません。特に、水が盲点になりがちです。

①弱酸性の土は市販の培養土にあります。②弱酸性の水は雨水を使うか、弱酸性ミネラルウォーターを買います。私が確認した範囲では「谷川山系のおいしい水」テーブルマーク社のものが弱酸性かつ軟水でした(ph値は加藤が測定実施)。私はローソンストア100で買いました。

一般論では、発芽の3要素は①水②酸素(過湿ではダメ)③適切な温度(種を蒔く季節)ですが、それは当然クリアしたうえでの発芽率向上のノウハウです。また、シロバナタンポポの場合は、好光性種子なので土中に埋めると発芽率が下がります。
そして、栽培の教科書などでは「日本の土は酸性土が多い」という前提からスタートしています。確かに、草花を栽培続けてきた畑や庭なら酸性の土でしょう。しかし、我々一般人(農業従事者でない)が触れる土は、大抵は開発の手が入っていて、アルカリ性になっています。

3.シロバナタンポポの具体的発芽方法

シロバナタンポポを発芽させるには、トータルとして弱酸性の環境にしてあげます。具体的には次の通りです。(加藤の実施した方法です。発芽率4割です。)

①育苗ポットに弱酸性の土を充填②種子を2つ置く(埋めない)③ネットで覆う④乾燥させない⑤育ったら定植。

(1)育苗ポットに弱酸性の土を充填

これは、市販の培養土に3割程度の赤玉土を混ぜてもよいです。他に、赤玉土7割、腐葉土3割程度に自分で混ぜてオリジナルブレンド土を作ってもよいです。オリジナルブレンド土の場合だと、肥料分がほとんどありません。肥料分が全く無い土だと、シロバナタンポポは上手く育ちませんので、少し肥料を加えます。有機肥料が良いでしょう。

(2)種子を2つ置く(埋めない)

一つのポットに、種子を2つ置きます(埋めません)。このページでお勧めするシロバナタンポポの発芽方法の場合、発芽率はよくても5割程度でしょう。ですから、あらかじめ2つの種子を蒔きます。
(もちろん3つの種子を一つのポットに蒔いても良いです。複数発芽したら、なるべく早くそっと抜いて他のポットに移してやれば育ちます。もちろん、「間引き方式」で抜いてしまうのも一つの方法です。)

種子は土に埋めません(置く程度です)。そして、上からちょっと押す程度にとどめます(種子が半分土にめり込む程度の感覚です)。なぜなら、シロバナタンポポの種子は好光性だからです。埋めてしまうと光が届かず、発芽率が落ちます。(その一方で、埋めないと湿度が保てないため、発芽率が落ちるというジレンマがあります。こんなところが、シロバナタンポポの発芽率が悪い一因なのでしょう。)

赤玉土主体の場合は、上手に種子を置くと、赤玉土の隙間に収まります。そうすると、湿度も保てるし日光も浴びられます。

(3)ネットで覆う

ネットで覆うのはとても重要です。なぜなら、西洋たんぽぽの綿毛が飛んできて、あたかもシロバナタンポポが発芽したように勘違いするからです。下の写真では、100円ショップの超大型洗濯ネットを使っています。60cm×60cmの大きさで100円です。目が細かいものなら、害虫も寄せつけません。この超大型洗濯ネットは何かと便利です。

シロバナタンポポをネットで覆う

(4)雨水をかけ乾燥させない

A.雨天は外に出し雨水をかける

強風、暴雨でないならば、雨天には外に出し自然にまかせましょう。(2018年の秋は、とても良い頻度で雨が降りました。そのため、屋外に適当に放置しただけで、適切な湿り気が得られました。そうでない場合は、人為的に湿り気を与えましょう。)

B.霧吹き

霧吹きがあれば、それで一日三回ほど弱酸性の水を吹きかけます。霧吹きがなければ、静かに水を注ぐだけで大丈夫です。

(5)発芽

乾燥しないように気をつけて、適切な湿度(湿り気)を保ってやれば、7日から10日程度で発芽してきます。

下の写真は、この方法で発芽したシロバナタンポポが育った状況です。全部で12ポット、それぞれ2つの種子を蒔いたので、9/24の発芽率(4割)です。良く見ると、種子が端っこに流れてしまったポットもあります。また、2つとも発芽したものもあります。

シロバナタンポポをポットに直播き

上の写真では、試しにジフィーポットを使っています。しかし、ジフィーポットは乾燥しがちなので、この発芽方法には適さなかったと思います。もし、プラポットでこの発芽方法を行なったなら、もう少し発芽率が良くなるかもしれません。
(ここまで育った後は、ジフィーポットがすっぽり入るようなサイズのプラポットを買って、そこにジフィーポットを入れました。→二重構造になります。それで過乾燥は避けられるようになりました。)

ジフィーポットで発芽させるなら、下にトレーを敷いて水を貯め、底面給水方式にするのが良いと思います。(私は試していません。過湿で種子が痛むこともあります。)

(6)双葉の後に本葉がでて少し大きくなったら本式に植える

上述の方法で発芽させ、育ってきたら定植します。庭に植えてもいいですし、もっと大きな鉢に植え替えてもよいでしょう。

4.梅雨に自然に多数発芽したケース

(1)長雨の季節には発芽しやすい

シロバナタンポポは、野草ですので環境さえ合えば自然に発芽します。これは、梅雨時に自然に多数発芽したケースです。急がない場合は、梅雨時や秋の長雨の時季を待って、そこで発芽させるのも一つの考え方です。(ネットで覆っていた為シロバナタンポポの種100%に出来たのが、ほうっておいても成功できた要因です。)

この春は、沢山の花が咲いて困るほどでした。種も非常に沢山できて、保存もしましたが、多数鉢の中に落ちてしまいました。その落ちた種が、自然に多数発芽したのです。

(2)発芽した要因

A.春の種は直ぐには発芽しないこともある

実は、この発芽以前に、小さいポットに種を上手にまいて、発芽させようとしたのですが、発芽率はあまりよくありませんでした(3%)。極小ポットに種2つ、下に皿をしいて、底面給水し、常に湿度を保つようにしました。しかし、1つしか発芽しませんでした。3%の発芽率です。若い株からとった種だと、秋まで待たないと発芽しないのかもしれません?

B.底面給水は加湿のリスクと隣りあわせ

工夫したつもりですが、底面給水は加湿のリスクと隣りあわせです。

C.ある程度の土の量が無いと乾燥しがち

梅雨になりましたので、この小さいポットの方も、底面給水を止めました。自然の降雨にまかせました。しかし、発芽率はあまりよくありません。結局、最終的に9%程度でした。これは、小さいポットだと、土の量が少ないために、直ぐ乾燥してしまうからでしょう。(大きなポットでは土の量が多く、多数発芽していました。)

D.雨水で種が自然に土の隙間に入り込んだ

私も、人為的に、赤玉土の隙間に種を差し込んだりしたこともあります。しかし、雨水によって自然に土の隙間に入り込んだ種の方が、発芽率が良いようです。

5.一般的注意事項

どうやって発芽しにくい種子を発芽させるか、一般論まで含めると本が一冊書けてしまいます。そこで、一般的なことを簡潔に以下に記載します。

  • シロバナタンポポの発芽は、春と秋です。春に種をまいても秋まで発芽しないものも混在しています。
  • 発芽までに10日前後かかります。地道に水やりして待ちましょう。
  • 種が空気に触れるように配慮します(水にどっぷり漬けっぱなしはいけません)。
  • シロバナタンポポは太陽光に当てないと発芽しません(好光性種子のため)。
  • 何事もやりすぎはいけません(つい水をやり過ぎ根が腐ります)。
  • 発芽促進剤などはテストしていません(相性問題等は管理しきれません)。
  • 植え替える場合は直射日光、強風から守ります(1週間程度)。
  • 幼苗の段階では沢山の肥料は控えます。

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