価値を創造し利益を生む「価値共創人事戦略」を新たに商品化しました。ダブル・モチベーションと支援ツール群で成果を上げます。ポストコロナ、「新しい資本主義」(ステークホルダー資本主義)の成長戦略に最適です。「顧客・社会により良い価値を提供する」視点と「ダブル・モチベーション手法と実践ツール群」で支援しエンゲージメントを高めます。

 この記事は経営コンサルタントの加藤昌男(資格:中小企業診断士、日本生産性本部認定経営コンサルタント資格)が執筆しました。最新の著書をベースにしています。自分で研究・実践した内容で独自性が高い一次情報です。
※脚注機能を使い補足しています。ページ下部に脚注の一覧がございます。

Contents

1.価値を創造し利益を生む方法「価値共創人事戦略」とは

 「価値共創人事戦略」とは、価値を創造し、新商品・新サービス等を作り出して利益を生む人事戦略です。そのための具体的方法・実践ツールと考え方をモデル化・体系化し「価値共創人事戦略」にまとめました。ポストコロナの成長ビジョンであり、同時に具体的な手法・ツール群です。

 従来の成果主義人事は、株主至上主義に基づいた短期業績偏重の人事マネジメントです。もちろん、株主も短期業績も大切ですが、それに集中し過ぎると弊害が大きいのです。そこで、少し発想を転換して、我々の中に眠っている「三方よし」の精神を呼び覚まします。

 「新しい資本主義」(サステイナブルな資本主義)はどこに力点を置くかで印象が変わりますが、ここで提案するのは企業が持続的に成長できる方法(利益を上げる方法)です。それには業績向上と人材育成・活性化を両立する必要があります。ステークホルダー主義の人事マネジメント分野では「社員に働きがい・働く喜びを得られる良い仕事を与える」事が大切です。

 複数の成功事例だけでなく、貴方の会社でも上手く役立つ再現性が必要な為、理論的な考察も加えました。この「価値共創人事戦略」は次の理論を応用し、実践と学際的研究の反復の中から生み出されました。①知識創造理論1②生涯発達心理学2③内発的動機づけ理論3

(1)「価値共創人事戦略」の体系

 「価値共創人事戦略」の体系は次の通りです。

①ダブル・モチベーション手法(従来型動機づけ:評価―処遇反映+内発的動機づけ4

②実践ツール群(仕事が上手くいくように支援。支援型リーダーシップへ繋がる)

③「顧客・社会により良い価値を提供する」視点(新三方よし)内発的動機づけ手法活用のキー

図1:「価値共創人事戦略」の体系

 内発的動機づけ(≒動機づけ要因)を取り入れる事で、ダブル・モチベーション:2種類のバランスが良い動機づけ体系を持ちエンゲージメントを高める価値共創型人事マネジメントに変革します。

  • 従来の成果主義人事では非常に弱かった内発的動機づけの育成・活性化効果が上積みされます。
  • 2種類のバランスの良い動機づけ体系により成果査定偏重の弊害を弱めます。

 仕事の成果を高める実践ツール群により、支援型リーダーシップが実践できます。すると次のような効果が出てきます。

  • 信頼と協働の企業文化を育てます。
  • お互いの知恵を持ち寄って協力し合う「知識創造活動」が活発化し、価値創造・イノベーション創出が促進されます。

(2)ダブル・モチベーション手法

 ダブル、すなわち①外発的と②内発的の2つの動機づけ手段があれば偏り:弊害が減り効果的です。

  • 外発的動機づけ:フェアーな評価と処遇(大差をつけて社員間競争を煽らない、イノベーション創出を阻害しない)。生産性向上は経営理念と連動したナレッジ型コンピテンシーによるOJTや支援ツール等が担う(支援ツール以外は、主に『超・成果主義』加藤昌男著、日本経済新聞社、2005年より)。
  • 内発的動機づけ:3つの言葉の内発的動機づけツールを使って支援型リーダーシップを実践(支援型はテレワークの生産性向上に効果的。Society5.05に適す)。社員のエンゲージメント向上と成長・成熟に繋がり、優れた価値を創造できる組織となる。『ちょっとズレてる部下ほど戦力になる!』(加藤昌男著、日本経済新聞出版社、2018年)を改善。

(3)工夫された実践ツール群で価値共創を促進

 実践ツールが労働生産性を高めます(査定ツールでなく成果を増やすツール)。コントロール型管理でなく支援型マネジメントに発展できます(テレワークでは従来型管理困難、支援型リーダーシップと自律的な組織に移行する方が効果的です)。従来型人事の弊害の解消、管理者の運用能力のレベルアップ、良好なチームワークと真摯で深いコミュニケーションを前提とした人事コンセプトや具体的人事マネジメントシステムを創れます。オンライン・ブレーンストーミング技法開発により全てオンライン化しコロナ禍・ポストコロナに対応します。

(4)ステークホルダー資本主義:三方よしの精神

 活性化型・人材育成型の人事制度を設計・運用していると、見えてくるものがあります。まず、若者は「社会の役に立つ仕事がしたい」等と貢献意欲を持っています。そして、中堅社員も働いているうちに「仕事って、今だけ儲かりさえすればよいものではないな」と気付きだすのです。この経験から学んだ「三方よし」の精神は、自然な素肌感覚のものです。哲学や経営理念であるとか教えられた知識のように、理性優先のものではありません。

 仕事を通して様々な人々や社会(ステークホルダー)にふれあい、ステークホルダーからポジティブなフィードバック(喜びの声)を受けて、一人ひとりの心の中に育むものです。「お客様の喜びの声を聞いて嬉しい、私もお客様の喜びの声を聞きたい」というビジネスパーソンの自然なマインドが重要なのです。

 企業が持続的に成長するには、企業活動に関わる沢山のステークホルダーが満足できなければなりません。株主至上主義に見られた短期業績偏重、「儲かりさえすればいい」とする功利主義では、中長期的な成長は難しいということが体験的に解ってきたのです。株主だけでなく他のステークホルダー「人」や「社会」を豊かにする事が、企業の役割と考える方が、中長期的に発展できるのです。

2.具体的ツールがあるから成果が上がる

(1)ポストコロナに成長するための①正しい方向性・戦略と②具体的実践ツール

 ポストコロナには、デジタル化が急速に進展します(テレワークの普及等)。さらに、持続的な成長の為「新しい資本主義」(サステイナブルな資本主義、ステークホルダー主義)下の新しい戦略思考が求められています。また、若者の早期離職問題は従来のやり方が限界にきている事を示しています。

 必要なのは、①正しい方向性・戦略と、それに沿った②具体的実践ツールです。その2つがそろった「価値共創人事戦略」ならば、貴方の会社のお役にたちます。私は、「『知創型コンピテンシー評価制度の提案』21世紀のナレッジマネジメントを加速する」(第53回全能連賞、2001年)を受賞して以来、20年間に渡って「成果を生みだせる人事戦略」を研究し続けてきました。その客観的成果と「オンライン・ブレーンストーミング技法」を組み合わせて、全てオンライン対応できるようにしました。

(2)価値共創の具体的支援ツール

 価値共創のための具体的支援ツールは次の通りです。

表1:「価値共創人事戦略」の具体的支援ツールと客観的基盤

  • A「経営理念と連携したコンピテンシー評価制度」、対話に使う事で経営理念と日々の行動の関係を自覚する。既存コンピテンシーを経営理念と連携しても可。
  • B「目標設定支援ツール」付箋紙ブレーンストーミング手法を用いて、多数の管理職が参加し組織目標達成の為の個人目標の体系を設計する。査定の為の目標でなく、経営計画達成のための目標にする。
  • B「チーム目標のマネジメント」を行い、組織メンバーに目標を共有してもらう。何のための目標なのかが見えてきて働きがいが高まり、チーム内で協力し合える。成果査定でなく仕事の意義自覚の為。査定より組織活性化とチーム内での協働ネットワーク構築を重視。
  • C職場の知恵を明文化した「ナレッジ型コンピテンシー評価制度」、仕事のヒントに使うには査定型や汎用型では不十分。コンピテンシーは本来職場の知恵。評価できるできないでなく、仕事のヒントになるかどうかが大切。
  • E「対話型OJT」でナレッジ型コンピテンシーを使って、目標達成支援、生産性向上。答えを押し付けず一緒に考える支援、成長支援。「第二、第三の言葉」により内発的動機づけに効果的。
  • D「第一の言葉」で仕事の成果のポジティブなフィードバックを共有、共感。価値創造=社会貢献=嬉しい事。自らの成長に気付き、エンゲージメントが向上する。

3.ダブル・モチベーションには「顧客・社会により良い価値を提供する」視点が必要

(1)成果査定型の人事管理の弊害

 成果査定型の人事管理を強化し過ぎれば「外発的動機づけ偏重6」となり、次のような弊害が強まります。

  • 人材育成が疎かになる。
  • 社員の活力・やる気が失われる。
  • チームワークは薄れ、価値を共創する活動は停滞する。
  • 高度な目標への挑戦を回避する(自分にメリットが無くリスク過大)。
  • 短期業績に集中し過ぎて、中長期的業績が悪化する。

(2)ダブル・モチベーション(内発的動機づけの追加)で改善する

 しかし、「顧客・社会への価値提供」の視点を加えると「内発的動機づけ」が使えるようになり、成果査定型の人事マネジメントの弊害を解決できます。具体的には実践ツール(①内発的動機づけツール、②成果向上支援ツール)を使って多数の管理者・リーダーが支援型リーダーシップを実践する事で可能になります。

図2:①会社視点②社員視点に③「顧客・社会により良い価値を提供する」視点を加える

 ③顧客・社会への価値提供視点は、①会社から見れば顧客満足を高め業績向上に繋がります。②社員から見れば働きがいを感じ、顧客・社会のフィードバックから成長の喜びを実感する事になり、「成果創出→働きがい実感→全人的成長」の上昇スパイラルが回ります。

 つまり③視点は会社と社員に「顧客・社会により良い価値を提供する」共通の方向性・価値観を与え新しい関係性を築くのです。さらに株主至上主義:短期業績偏重の弊害を弱めます。

 その結果、知識の共有と協働を通して顧客・社会により良い価値を提供する人事マネジメントモデル(「価値共創人事戦略」)が創造できます。これはサステイナブルな資本主義のマルチステークホルダー概念を人事マネジメントに取り入れる7でもありSociety5.0、「新しい資本主義」を推進する国策に適います。

4.内発的動機づけ実践的ツール(3つの言葉)

 従来内発的動機づけは導入が困難であったが、今回①会社視点②社員視点に「顧客・社会により良い価値を提供する」視点を加え、内発的動機づけを実践する方法をモデル化し、誰もが簡単に使えるツールを創り出した。

(1)実践的ツール(3つの言葉)

  • 第一の言葉「仕事をしていて嬉しかった体験がありますか?」
  • 第二の言葉「仕事で何か困っていることはありませんか?」
  • 第三の言葉「あなた一人でなく私と一緒に考えましょう」

図3:「3つの言葉」誰にでも使える内発的動機付けの実践的ツール

  お客様(働く仲間)や社会からのフィードバックで「①自律性②有能感③関係性」を最も効果的に実感でき、「内発的動機づけ」に繋がる。エドワード・L. デシ教授による内発的動機づけの源は①自律性8、②有能感9、③関係性10の3つの欲求。(有能感には成長欲求の概念を含む:有能でありたい=成長したい、関係性には貢献欲求の概念を含む。)

(2)三方よし:顧客志向を呼び覚ます第一の言葉「仕事で嬉しかった体験」

 会社のコントロール型管理が厳しくなってくると、どうしても社員が内向き志向になります。厳しい成果主義の評価制度や職務記述書、目標管理制度等もバランスを崩すと活性化より社員の活力を奪います。

 そんな場合に、第一の言葉「仕事をしていて嬉しかった体験がありますか?」を使って、理屈でなく感情面に訴えます。つまり、建前で無く本音を聴くのです。そうすると、「お客様に喜ばれた体験」等が続々と聞こえてきます。そして、「お客様に喜ばれる事=事業を通して社会に貢献する事」ではないかとさりげなく問いかけます(決して押しつけません)。顧客と直接接しない職種の方は、「働く仲間に喜ばれた体験」にフォーカスします。

 これは、実は経営理念に含まれる「顧客第一、顧客指向」なのですが、上から目線で「経営理念なんだから大事にしなさい」と言うと、心に響かず建前論に変わってしまうのです。それではやる気に繋がりません。

5.従業員エンゲージメントを高める秘訣と具体策

 価値を創造し利益を生むには、社員の自発的貢献意欲(従業員エンゲージメント)が重要です。従来の「やる気(勤労意欲)」等と違う点は、①経営理念(使命・存在意義、ありたい将来像)に対する深い理解と共感、②経営理念を実現しようとする自発的な貢献意欲です。簡単に言えば、「誰に言われないでも、自ら高度な目標を設定し、達成に向けて励む」という事です。言われた事をやるだけでも大変なのに、さらに高度な目標に自発的に挑むというのは簡単な事ではありません。

(1)社員=ステークホルダー(大切な人)と考える

 端的に言えば、社員をステークホルダーと捉え大切な人として扱い)「心豊かな職業人生」を支援する事がエンゲージメントを高める秘訣。自分の職業人生が幸せになる可能性(自利)、組織内で働く事でより高度な社会貢献・価値の創造ができる可能性(利他)がエンゲージメント向上に繋がる。

(2)エンゲージメントを高める具体策

A.短期的施策

  • 3つの言葉を使いワークショップや対話、OJTによる支援を行う(社員視点では成長支援)。
  • 同時にバリュー型コンピテンシーで対話し経営理念が浸透。

B.中長期的施策

  • 仕事のポジティブ体験(顧客の喜びの声等)が得られるよう支援すると、さらにポジティブなフィードバックを望んで良い仕事をする。これは、仕事を通して成長する事(人間力を高める事)と同義です。
  • そのサイクルが回り出すと、社員はやがて成熟し、社会貢献欲求や次世代創造欲求を持つ。

表2:「3つの言葉」がエンゲージメント向上に役立つ(内発的動機づけとエンゲージメント)
(◎:大いに役立つ、○:役立つ。)

従業員の自発的貢献意欲(エンゲージメント)のポイント 第一の言葉「仕事をしていて嬉しかった体験がありますか?」 第二の言葉「仕事で何か困っていることはありませんか?」 第三の言葉「あなた一人でなく私と一緒に考えましょう」 経営理念と連携したナレッジ型コンピテンシーで対話するOJT
①経営理念(使命・存在意義、ありたい将来像)に対する深い理解と共感
顧客への貢献(経営理念)=社会貢献(役立ちたい自分の思い)に気付く

経営理念に含まれる「協力し合う」
を実感

経営理念に含まれる「人の尊重」
を実感

ポスター掲示だけでなく、日々の行動、対話に用いる事で
内在化
②経営理念を実現しようとする自発的な貢献意欲
内なる貢献欲求に気付かせる(顧客への貢献=社会貢献)

高い目標に挑戦し、優れた価値を創造する為にはリスクテイクが必要(自分が損するリスクをどう克服するか)。仕事を通して成長・成熟し、「他者貢献性」を育む

日々の行動、繰り返し対話し、日々の行動に繋げる事で身体感覚として体得
参考情報:「Society 5.0時代を切り拓く人材の育成」経団連、2020年3月「https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/021.html」

(3)エンゲージメントと貢献欲求の関係と向上手法

 一般的に自己実現欲求が最上位だったが社会が発展した今日ではさらに上位に他者や環境への貢献欲求(⑥社会貢献マインド⑦次世代貢献マインド)がある。若者の7割が「日本の未来を良くしようという意欲」を持つ(出典:「若者の意識に関する調査」厚生労働省、2013年。)。

 ⑦次世代貢献マインドとは「より良い社会を創り次世代へ継承したいという願い(欲求)」(生涯発達心理学の生殖性11を解り易くした加藤の造語)で、イノベーション創出の動機となる。表面的なニーズだけでなく、より良い未来を創りたいと願うからこそ、高い目標に挑戦する等イノベーション創出のリスクテイクができる(自我の飛躍)。

図4:欲求5段階説と貢献欲求(⑥社会貢献マインド⑦次世代貢献マインド)

(4)貢献欲求(利他的)と成長欲求(自利的)を相乗効果でスパイラルアップ

 支援型リーダーシップでA.貢献欲求(利他的)とB.成長欲求(自利的)の2つの内発的動機づけ要素を連携させ相乗効果でスパイラルアップ。成長加速し、やる気が高まる→「成熟したアイデンティティ12」の獲得:次世代貢献マインドが生まれる→エンゲージメントが高まります。

図5:貢献欲求(利他的)とB.成長欲求(自利的)の相乗効果でスパイラルアップ

6.コントロール型偏重から支援重視へ転換

(1)3つの言葉でマルチステークホルダーの関係性概念の下でお互いを尊重し合う

 3つの言葉を発することで、上司の視点が「査定型管理者」(コントロール型リーダー)から、「働く仲間」(支援型リーダー:お互い助け合う仲間)へ自然に変わります

  • 第一の言葉「仕事をしていて嬉しかった体験がありますか?」働く仲間としての問いかけ
  • 第二の言葉「仕事で何か困っていることはありませんか?」仲間として気遣う
  • 第三の言葉「あなた一人でなく私と一緒に考えましょう」仲間だから一緒に取り組む

 管理職・リーダーは会社サイドに立ち部下を管理監督する役割だが、同じ様に仕事の嬉しさ・楽しさを感じる一人の人間(働く仲間)でもあると相互理解が進みます。

 従来の管理者―被管理者(管理する人される人)という二元論ではなく、マルチステークホルダーの関係性概念の下でお互いを尊重し合える様になります。部下を支援する役割・マインドが加わり、支援型リーダーシップが実践できます。管理者―被管理者(命令する人される人)から、働く仲間=マルチステークホルダーの関係へ発展します。

図6:3つの言葉を使うと自然に視点が変わる(理屈抜きで改善されるのがポイント)

7.価値創造・イノベーション創出ができる人材を育成する

 上司・先輩が「若手が仕事の喜びを実感できる様に支援」する事が、若手の成長・成熟に効果的です。「三方よし」の時代、すなわち「株主至上主義に基づいた短期業績偏重の人事マネジメントでは無かった時代」には、こうした人材育成機能が十分に機能していました。そして、日本企業からイノベーションや素晴らしい製品・サービスが生まれていました。今こそ、「新三方よし」「価値共創人事戦略」を蘇らせましょう。(昔の日本企業はイノベーションの宝庫だった

関連記事:「トヨタとアップルのイノベーション促進人事戦略の秘密

 また、若手の「仕事を通して成長したい」「やりがいのある仕事をしたい」「社会に貢献できる仕事をしたい」というニーズを満たす支援になります。したがって、若手の早期離職対策にも効果的です。

図7:「成熟した社会人」社会性のある強い個を育成し価値創造・イノベーション創出ができる人材を育成するイメージ図(育成モデル)

脚注

  1. 出典:『知識創造企業』(野中郁次郎、竹内弘高(梅本勝博訳)東洋経済新報社、1996年)、『ワイズカンパニー: 知識創造から知識実践への新しいモデル』(野中郁次郎:著、竹内弘高:著、黒輪 篤嗣:訳、東洋経済新報社、2020年)。
  2. 生涯発達心理学の補足説明。「人生とは、社会・文化的脈絡の中で、ストレスに対して積極的な対処行動をとり、愛の関係を大切にしながら、自己実現をめざして、常に自らの能力を発揮し続ける過程である(中略)このコンセプトが生涯発達心理学である。」出典:『働く者の生涯発達―働くことと生きること』(所 正文、白桃書房、2002年)はじめにiii。E.H.エリクソンは、「人間は、人と人、社会との関わりの中で発達課題を解決していき、生涯に渡って精神的発達を続ける。」と主張。出典:同書P9。「アイデンティティ」概念はエリクソンにより青年期の発達課題として取り上げられた。
  3. 参考:『人を伸ばす力』(エドワード・L・デシ 、リチャード・フラスト (著)桜井茂男(監訳)、新曜社、1999年)より。
  4. 内発的動機づけとは「自ら学ぶ・やる意欲」である。その源となるのが、自律性への欲求、有能さへの欲求、関係性への欲求。出典:『人を伸ばす力』(エドワード・L・デシ 、リチャード・フラスト (著)桜井茂男(監訳)、新曜社、1999年、290ページ)。(デシ理論で言う有能感には成長欲求の概念を含む:有能でありたい=成長したい、関係性には貢献欲求の概念を含む)
  5. Society 5.0とは「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」出典:内閣府科学技術政策https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/。「Society 5.0とは創造社会であり、『デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会』である。」出典:「Society 5.0―ともに創造する未来―」(日本経済団体連合会、2018年)
  6. 「内発的動機付けは、豊かな経験、概念の理解度の深さ、レベルの高い創造性、よりよい問題解決を導く。その一方で、統制は、内発的動機づけや課題の遂行を低下させるだけでなく、損得勘定の実利にさとい人には残念な事に、創造性や概念理解、柔軟性を必要とする様な課題の成果に妨害的な効果をもたらすのである。」出典:『人を伸ばす力』(エドワード・L・デシ 、リチャード・フラスト (著)桜井茂男(監訳)、新曜社、1999年、68ページ)
  7. 「ゴール8 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」「ターゲット8.2   高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。8.3   生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。8.5   2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する。」出典:「持続可能な開発目標(SDGs)」国連統計部作成、総務省訳、2021)
  8. 自律性の欲求とは「人には自らの行動を自分自身で選んだと感じたい欲求がある。人は自ら選択することによって自分自身の行為の根拠を十分に意味づけることができ、納得して活動に取り組むことができる。」である。出典『人を伸ばす力』(エドワード・L・デシ 、リチャード・フラスト (著)桜井茂男(監訳)、新曜社、1999年、40、45ページ)。
  9. 有能感の欲求とは「人は環境と効果的にかかわり有能でありたいという欲求を持っている。例えば、達成したい、やりとげたい、学びたいという湧き出るような気持ち、欲求。自律性を伴わない場合は効果は不十分。」出典『人を伸ばす力』(エドワード・L・デシ 、リチャード・フラスト (著)桜井茂男(監訳)、新曜社、1999年、88、89、96ページ)。有能感には「成長欲求」の概念を含むと考えられる(有能でありたい=成長したい)。
  10. 関係性の欲求とは「効果的で自律的でありながら、他者と結びついていたいとも願っている。愛し愛されたい、思いやってあげたい、思いやりを受けたいという欲求。」出典『人を伸ばす力』(エドワード・L・デシ 、リチャード・フラスト (著)桜井茂男(監訳)、新曜社、1999年、119ページ)関係性の欲求には「貢献欲求」の概念を含むと考えられる(思いやってあげたいという思いが貢献欲求に繋がる)。
  11. 生殖性(generativity)についての補足説明「生殖性とは、まず第一に次の世代の確立と指導に対する興味・関心のことである。」出典:『自我同一性――アイデンティティとライフ・サイクル』(E.H.エリクソン著、小此木啓吾訳編、誠信書房、1973年、122ページ)。「次世代の生活条件の改善を心がけるべく、成人に課された圧力であると考えることもできよう」出典:『幼児期と社会Ⅰ』(E.H.エリクソン著、仁科弥生訳、みすず書房、1997年)。「生殖性とは、社会の存続にとって重要な能力である。ある時点で、その社会の成員は、若者の生活を改善させるために自分の資質、技能、創造性を貢献させなければならないという義務感を感じるようになる。」出典:『新版 生涯発達心理学―エリクソンによる人間の一生とその可能性』 (バーバラ・M. ニューマン (著), フィリップ・R. ニューマン (著), 福富 護 (翻訳)、川島書店、1988年)。「生殖性(generativity)とは、自己中心的ではなく自分自身を越えていくことを意味するという。すなわち、子どもや孫など次の世代の人たちを導き、良き指導者として後輩を育てること」出典:『働く者の生涯発達―働くことと生きること』(所 正文、白桃書房、2002年、44ページ)
  12. 成熟性の補足説明「成人期のアイデンティティ形成のテーマは2種ある。①個としてのアイデンティティ(自分は何者であるか、何になるか)と②関係性にもとづくアイデンティティ(自分は誰のために存在するのか、自分は他者の役に立つのか)。この二つが統合された状態が成熟した大人のアイデンティティ。」出典:『中年からのアイデンティティ発達の心理学―成人期・老年期の心の発達と共に生きることの意味』(岡本 祐子、ナカニシヤ出版、1997年、49-51ページを要約)