経営のための人事!社長のニーズと管理者の努力を統合する『超・成果主義』

 物事は見る視点の違いによって、大きく異なります。社長は経営の視点で物事を考えますし、人事課長は管理者の立場・経験(管理の視点)で考えます。ところが、人事戦略・管理は「経営の視点」で考える必要があります。人事課長・メンバーには立場や経験を超えたものが求められるのです。(人事部は経営参謀ですから難易度が高いです。)

 したがって、社長や経営者層が「こうしたい」というニーズを持っていても、人事課長・人事課メンバーがそれを正確に把握するのは難しいのです。ミスマッチが生じています。
ここに、人事戦略・人事管理の難しさがあります。ではどうしたらよいのでしょうか?
方向性としては、①自らが戦略的管理者に成長する、②このホームページを上手に活用する、の2つがあります。(経営の視点を持った経営コンサルタントに依頼することは簡単なので説明を省略します。)

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1. 社長の気持「経営の視点」とは

(1)社長の気持

 社長のニーズは、「会社を成長・発展させたい」が一番大きいでしょう。ですから、「会社が成長・発展する仕組み、業績があがる仕組みが欲しい」というのが社長の気持です。
 社長は「会社が成長・発展する人事制度を作ってくれたまえ。細かい技術論はまかせる。」と人事課に依頼することでしょう。

A.社長の目線で「成果主義」をみると

 しかし、社長の目線で「成果主義」という言葉を聞くと、「成果を重視した人事制度、つまり成果があがる人事制度なんだろう」と考えるのが自然です。
(「○○会社に成果主義を入れたら業績が上がった」というセールストークもあったのでしょう。)

B.成果主義は管理の視点の言葉(技術論)

 しかし、成果主義というテクニカルタームを社長の目線で解釈してはいけません。管理の世界の言葉(技術論)だからです。

 「成果主義」とは、成果(個人業績)を査定し、その査定結果により社員の賃金決定や人事(昇進、異動・配置)などを行なう人事戦略なのです。英語で表現すると、よりはっきりします。例えば、成果主義賃金制度はperformance based pay systemです。そして、日米経営の大きな差は、株主利益至上主義と連携する「短期業績至上主義」で、それがアメリカ企業の衰退の一大原因です。

 つまり、普通の「成果主義」とは「こうすれば成果があがります、成果を上げるための人事制度です」という意味ではないのです。
「成果を査定して、賃金や昇進・配置を決める人事制度です」という技術論レベル(管理の視点)なのです。

(2)経営の視点

Image211 経営者層(トップマネジメント)は、物事を全体的・長期的・大局的・戦略的に見据え、革新的・統合的な発展の方向を目指します。

 「組織横断的目標・全社的目標や企業目的を達成する(全体志向、達成志向)」「中長期的に継続して利益をあげ続ける(利益志向)」という視点です。

 さらに、「外部指向の視点」すなわちお客様第一・お客様のニーズをどう満たすかの視点、社外の競争相手とどう戦うかの視点。そして「環境変化対応の視点」経営環境の変化の中に成長の機会を如何に見つけ、リスクをどうやって最少限にするかという視点などです(例えば、顧客の新しいニーズを発見し、イノベーションを起こして新製品を発売し、会社を成長・発展させるなど)。
 ドラッカーはこうした諸点を「企業の目的は『顧客の創造』の1つしかない」と表現しています。

 経営の視点とは、会社の様々な側面を統合する「全体最適化」の視点です。

(3)管理の視点

 その一方で、管理者層(ミドルマネジメント)は、物事を部分的(担当する組織限定)・短期的に見がちです。そして物事を改善的に発展させようとします。
(これは、目標管理が短期業績に偏るため、やむを得ない現実かもしれません。)

2. 人事は経営の視点で考えましょう!

(1)なぜ経営の視点が必須?人・情報資源は企業経営の根幹

 人事戦略立案・人事制度設計・人事管理運用に際しては、この経営の視点で見る必要があります。

 その理由は、人的資源は経営の三要素の「人・物・金」の一つであり、企業経営の根幹だからです。
また、最近は「情報」を経営の極めて重要な要素と考えるようになって来ました。この情報は、コンピュータを活用すれば集まってくるものではなく、「人」の高度な働きによって生み出されるものです。たとえば、イノベーションはコンピュータが生み出すのではなく、強い個に成長した社員たちが、組織の信頼関係を基盤としたチームワークを発揮することで達成されます(トヨタ・プリウスやAppleのイノベーション事例参照)。
したがって、情報化時代・イノベーションが求められるフロンティア時代というのは、人的資源マネジメントの重要性が極めて大きくなった時代なのです。

(2)経営の視点で人事を考えるとこんな方向性

経営の視点から人事を考える必要がある-社長が喜ぶ人事

A.社長(経営者層)のニーズ:経営の視点

 「会社が成長・発展する人事制度を作ってくれたまえ。細かい技術論はまかせる。」

  • 会社を成長・発展させたい(会社を良くしたい→今儲かるだけでなく中長期的業績向上と顧客満足・社会への貢献、株主利益の最適化)
  • 会社が成長・発展する仕組み、業績があがる仕組みが欲しい(流行のテクニックが欲しいわけではない)
  • 顧客の創造・イノベーション結局みな社員が頼り(企業は人なり、価値ある情報は人の知的協働が生み出す)
  • 成果を出すことが重要!(結果を出すことへの強い責任感。成果があがる仕組みが欲しい。結果だけが重要なのではない)
  • 人事マネージャーとは日頃から対話してるから解ってくれるはず(立場・役割・視点のギャップを埋める対話が重要)

B.人事マネージャーが経営の視点で考えると

 「会社全体が良くなる事が、社長にとっても社員にとっても、また社会にとっても一番良いこと」

  • 会社を成長・発展させるには?
  • 経営全体からみた人事領域では何をなすべきか(経営の視点からの発想)
  • 会社全体の人的パフォーマンスを向上させる事が我々のテーマ(経営の視点から人事部の役割を定義する)
  • 業績向上と人材育成、組織活性化・チームワークを両立する必要がある(テクニック論ではなく、経営の視点からの人事戦略の発想)
  • (経営の視点に立つことで)自然に全体最適化を目指している
  • なぜ五回!源流対策の問題解決をしましょう(人の側面の経営参謀、価値ある情報を生み出す創意工夫も担当領域)
  • 皆でじっくり考えてみましょう。会議室を予約しました(問題解決技法など推奨、自分の頭で考えないとセールストークを丸呑みするリスク)

(3)全体最適化の視点

 経営の視点とは、会社の様々な側面を統合する「全体最適化」の視点です。全体最適化の視点に立つと、物事のプラスとマイナスの両方が見えてきます。「社員を成果で評価し、差をつければ業績がグッと上る」だけでは済まなくなります。たとえば、次のような点からも検討するようになります。

  • 「中堅社員が中抜けしているあの職場で人材育成が進められるだろうか?」
  • 「その目標で、本当に会社の成長・発展につながるのかな?」
  • 「目標達成にこだわるあまり、お客さまにごり押しの営業をしてしまわないだろうか?」
  • 「評価されないのだけれども、”会社の発展に大切なこと”は後回しになってしまうのだろうか?」
  • 「今は大丈夫かもしれないが、新規顧客開拓・イノベーションの活力が無くなって、失われた20年が30年に延びてしまわないだろうか?」

(4)人事を管理の視点(部分最適化)で見ると残念な成果主義になる

 人事管理だけを最適化しようとする(部分最適化)のとは全く違った視点です。人事管理だけを最適化しようとすると、ついテクニック論に偏りがちです。「優れた会社はどんな評価制度を使っているのだろうか?我が社でも取り入れたい。」などと考えがちです。インターネットで検索をすれば、そうした情報は無数に出てきます。あとは、ボタンを押すだけで最良の評価制度が発注できて、万事解決でしょうか?NO!と言わざるを得ません。
管理の視点から人事を考えると部分最適化

3. 経営の視点と管理の視点は対立する?

(1)経営の視点といわれても立場・経験を超えている

 物事は見る視点の違いによって、大きく異なります。社長は経営の視点で物事を考えますし、人事課長は管理者の立場・経験(管理の視点)で考えます。ところが、人事戦略・管理は「経営の視点」で考える必要があります。人事課長・メンバーには立場や経験を超えたものが求められるのです。

A.戦略ミドル・戦略的管理者になるには時間がかかる

 経験を超えた物を求められても、なかなか応えられません。いきなり、「戦略ミドル、戦略的管理者になろう」といわれても、時間がかかります。
私にしても、中長企業診断士の資格試験からはじまり長年経営の様々な領域の勉強を続け、様々な企業様で経営コンサルティング・人事コンサルティングを実践してきてようやく「人事戦略・管理は経営の視点で考えましょう」と言えるようになったのです。
「現場の泥をなめろ!」などと言われて、ストップウオッチと観測版をもって、IE・生産管理、工程管理などにも取り組みました。ライバルのスーパーへ競合店調査に行ったら、店員に「今何をメモしたんだ!」などとつるし上げられたこともあります。現実問題として、企業の皆様にそのような時間的余裕はありません。

(2)このホームページを上手に活用するコツ

 このホームページは、経営の視点から人事戦略を考えて作りました。(会社を成長・発展させる人事戦略です。)
ですから、このホームページの様々な情報・ノウハウを「経営の視点からの人事なんだな」と思いながら読んでいただくと、お役に立つと思います。

A.違和感の理由は経営の視点と管理の視点の差

 しかし、それにはコツが必要です。それは、一読してみて「心がザラついた」場合、その心がザラつく理由は経営の視点と管理の視点の違いからくるものだと考えることです。つまり、「心がザラついた」場合こそ、いつもと違う情報が入手できた喜ぶべき瞬間なのです。

B.「何か変だな」と思った瞬間に新しい情報を手に入れる

 「何か変だな」と思った瞬間に、貴方は新しい情報を手に入れたのです。はじめてスマートフォンを見たときどう思われましたか?Macファン以外の方は、「こんなものは、(私の愛用している)携帯電話じゃない」と「心がザラついた」のではないでしょうか?

 通常の事例集や専門書などは管理の視点で作られています(事例集や専門書のターゲット読者は管理者ですから、管理者に狙いを定めています)。したがって、皆様が知っている情報と、このホームページの情報に微妙なズレがあるのです。「心がザラつく」ような感情が生まれます。

 このホームページは無料ですので、「心がザラついた」ならば大抵の方はそれ以上読むのをやめてしまうでしょう。
例えば、皆様が病院へ高血圧の薬をもらいに行って、若い女医さんから「血圧測定の結果を見ましたが、貴方の場合はまず生活習慣の改善から始めます。ですから、今日は高血圧の薬はお出ししません。」と言われたらどうお感じになりますか?「心がザラつき」ませんか?

(2)自分と違う意見を尊重できるか?多様性尊重への挑戦

 自分と違う意見を尊重し、上手に活用することが大きな成果を生む秘訣です。今風に言えば、ダイバーシティ、多様性尊重です。和して同ぜずの対話が新しい価値を生み出します。
しかし、これが難しいのです・・・人という生き物は、常に物事を「自分なりの経験に基づいて、自分なりの視点で」解釈しようと試みます。自分と違う意見は、一番「気分が悪い」のです。

 今や時代のキーワードは「共感」です。耳に優しい言葉で、「貴方は正しい、貴方の感じ方は素晴らしい」と囁くメッセージに溢れています。書籍雑誌やインターネット等、情報は溢れています。気のあう友人と過ごすのが楽しいように、皆様も「共感」できる情報にアクセスすることでしょう。

 しかし、経営参謀たる人事部の皆様は、物事を好き嫌いや好悪の感情で判断してはいけません。どんな情報が良い結果につながるのか?どんな情報が会社全体を良くし、社長に喜ばれ、一人ひとりの社員にも幸せをもたらすのか?とお考えいただくのが一番良いのではないでしょうか?

4. まとめ:経営者のニーズと管理者の努力を統合する『超・成果主義』

 『超・成果主義』は、経営者のニーズと管理者の努力を統合します。このホームページの情報は、社長の気持・経営者のニーズに立って経営の視点で発想されています。ですから、このホームページを読んでいただくだけで、だんだん社長の気持・経営者のニーズが解るようになります。
つまりこの『超・成果主義』ホームページは、経営者のニーズと管理者の努力の橋渡しをしているのです。

 このホームページを読む際に、「ちょっと変だな?」「心がザラつく」と感じても、その違和感の理由が経営の視点と管理の視点の差にある事を考慮してくだされば、より良い情報が得られます。

(1)時代は「共感から協働へ」発展すべき

 今、時代は「共感から協働へ」発展すべきです。耳に優しい言葉よりも、皆様の会社を成長・発展させる情報を読んでみてください。

 結局、会社全体が良くなる事が、社長にとっても社員にとっても、また社会にとっても一番良いことです。そのためには、社長の気持・ニーズに思いを馳せながら、会社を成長・発展させるにはどうしたらよいか考えましょう。そのための沢山のヒントをホームページに掲載しています。

5.リーダー・管理者に役立つ参考書籍

ちょっとズレてる部下ほど戦力になる!日本経済新聞出版社刊、加藤昌男著。最新情報最新刊!(このホームページ上にも紹介記事ページがございます)

 若手社員を戦力化し、職場を活性化する最新のノウハウを解りやすく説明しています。若手社員を戦力化しやる気にさせる方法、内発的動機付け、仕事の楽しさを味わう方法、組織活性化の方法、コミュニケーションを取る方法などこのページでは紹介しきれない沢山のケースや実践例で説明しています。さらに、具体的方法、具体的プログラムなどお役にたつツール(ソリューション)をまとめました。きっと皆様のお役にたつことと思います。わかりやすく平易な文章で丁寧に書いていますので、「とても読みやすい」「読んでいて面白い」と喜ばれています。

 若手社員は本当は戦力になります!若手が何を考えているか解らないと悩むリーダー・管理者の皆様の為に書きおろしました

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新情報new改良『労政時報』の労務行政研究所様が、拙著のレビューを書いてくださりました(人事・労務の専門情報誌『労政時報』の労務行政研究所が運営するjin-jour(ジンジュール)様からのレビューです)。誠に有り難うございます。

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