シロバナタンポポの発芽方法の改善!ハウツーから試行錯誤による知識創造へ

可愛らしいシロバナタンポポを自分の手元で愛でてみたいものだと思いました。しかし、発芽率が数%と非常に低いのです。試行錯誤し、発芽率を5割へと大幅に改善することができました。沢山の方々に可愛らしいシロバナタンポポを楽しんでいただければと思い、その発芽方法の改善を公開いたします。最大のポイントは、雨水(弱酸性の水)です。シロバナタンポポは発芽率が悪いため、沢山の方が種から芽がでるまで水に浸します(「芽出し法」)。しかし、水道水(弱アルカリ性)ではうまく行かないのです。

また、もう一つのポイントは「シロバナタンポポ以外の種が飛び込んでこない様に防ぐ」ことです。これも案外盲点になります。私も一番最初はこれで失敗しました。空には、我々が思っている以上に綿毛が飛んでいます。そして、西洋タンポポ系の種は発芽しやすく育ちやすいのです。したがって、本来シロバナタンポポの種を蒔いた、小さな芽がでた種を植えたつもりでも、西洋タンポポの生命力に駆逐され、楽しみに育てていたら「アッ黄花だった!」ということになりかねません。
(下の画像は自宅で開花したシロバナタンポポ)
シロバナタンポポ無施肥開花自宅で発芽したシロバナタンポポ脱脂綿にシロバナタンポポの種子を蒔く

シロバナタンポポは日本の在来種ですので日本古来の生態系を保存する意味でも意義があると思います。(在来種のタンポポ、日本タンポポの発芽率の向上にも使えます。)
また、この考え方を応用すれば、「なぜか発芽率が悪い植物」の発芽率を向上させるヒントになると考えます。

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芽出し法」やピンセットを使った細かい作業がお好みで無い場合などは次の記事もご覧ください。ちょっと工夫を加えた、もう少し気軽な方法です。「ホーリーバジルの種を確実に発芽させる方法|好光性種子の発芽法」シロバナタンポポも好光性種子なのでお役に立ちます。市販の培養土は弱酸性なので、水道の水をかけても土の酸性度が支配的になります。したがって、この方法なら弱酸性の水にこだわる必要は低くなります(もちろん弱酸性の水であれば理想的です)。

種が多数ある場合などは次の記事もご覧ください。ピンセットなどを使わない気軽な方法です。「白花タンポポの簡単な発芽方法|気軽に手軽にシロバナタンポ」

最新情報ミニトマト無農薬栽培の簡単な方法!キーポイントを失敗から学ぶミニトマト苗の植え時にあわせ、急遽公開します。

目次

1.ポイント:①弱酸性の土②弱酸性の水を使う

結論から言いますと、シロバナタンポポを発芽させるには、①弱酸性の土と②弱酸性の水が必要です。この二つがそろい「トータルで弱酸性の環境」にならないと、シロバナタンポポの発芽率は改善されません。特に「芽出し法」を用いる場合には、水が盲点になりがちです。

①弱酸性の土は市販の培養土にあります。②弱酸性の水は雨水を使うか、弱酸性ミネラルウォーターを買います。

一般論では、発芽の3要素は①水②酸素(過湿ではダメ)③適切な温度(種を蒔く季節)ですが、それは当然クリアしたうえでの発芽率向上のノウハウです。また、シロバナタンポポの場合は、好光性種子なので土中に埋めると発芽率が下がります。
そして、栽培の教科書などでは「日本の土は酸性土が多い」という前提からスタートしています。確かに、草花を栽培続けてきた畑や庭なら酸性の土でしょう。しかし、我々一般人(農業従事者でない)が触れる土は、大抵は開発の手が入っていて、アルカリ性になっています。

(1)あなたのシロバナタンポポは弱酸性環境ではない?

都市の土、宅地の土は大抵がアルカリ性です。水道水はアルカリ性です。ご自身で測定して「弱酸性である」と確認してみるまでは、それらはアルカリ性であると考えた方が良い結果につながります。

(ちなみに、発芽法で良く使われるキッチンペーパーは中性が多いです。)

(2)雨水だけで42.9%の発芽率の改善

キッチンペーパーに種を並べ、水をひたひたにして発芽を待ちます(うまくいかなかった当初は水道水)。しかし、発芽数が非常に少ないです。数個発芽後、辛抱強く次の発芽を待っていました。待つのはいいのですが、その前の発芽挑戦時に沢山の種子がカビてしまったので困っていました。なんとかしなければ……
水道水では3週間ほど発芽が無かったシロバナタンポポの種ですが、そこへ雨水(弱酸性の水)を満たしただけで、15個が次々に発芽しました。

画像では35個中の15個ですので42.9%の発芽率の改善です。黄色10個が雨水投入の翌日に発芽しました。赤4個が二日後、青1個が三日後の発芽です。

(3)トータルで5割の発芽率へ向上

これ以前に6個が発芽し、3個がカビたりしていますので、トータルすると44個中21個の発芽です。トータルした発芽率は47.7%、5割です。

秋に発芽する種子も残っている(春は発芽しない)と考えると、とても良い発芽率(改善率)です。(13.6%から47.7%へと34.1ポイントの改善)
本記事は春にシロバナタンポポの種をまいたケースです。

(4)納豆菌などに注意新情報new改良

無農薬で植物を育てる場合、納豆菌は力強い味方です。そこで、納豆菌を増やそうと思い、培養してみました。キッチンのはずれ当たり、つまりシロバナタンポポの発芽トレーと同じ室内です。

しかし、その結果、室内で発芽させようとしたシロバナタンポポの発芽率が悪くなってしまいました。納豆菌は、ご家庭ですと、つい多数の納豆の空き箱がゴミ箱などに入っている可能性があります。そこにも付着していますのでご注意ください。
一方、昨年度は発芽前に複数の種子が黴びてしまったのですが、今年は黴びが発生しませんでした!これは納豆菌の良いところです。

2018年は納豆菌が発芽率に悪影響があることに途中で気付き、屋外で発芽させました。ひさしのある場所で、自然に雨をうけられるようにしたところ、発芽率がグッと上がりました。
やはり、植物を発芽させる場合はできるだけ菌類の少ない、清潔な土や脱脂綿、キッチンペーパーなどを使うのが良いでしょう。

2.シロバナタンポポとは

(1)日本在来種のタンポポ

シロバナタンポポ(白花蒲公英、学名: Taraxacum albidum)とは、日本タンポポの一種です。キク科タンポポ属の一種で多年生植物です。
タンポポは通常は黄色い花ですが、シロバナタンポポは白く愛らしい花を咲かせます。関東以西に分布しています。

(2)発芽率が低い弱点あり:数%の発芽率

A.発芽の定義

 発芽とは「休眠状態にあった芽(成長点)が発育をはじめること」です(「生物学辞典」第3版 岩波書店より)。シロバナタンポポの場合は、種から根がでた状況が発芽です。

(3)花言葉

シロバナタンポポの花言葉は「私を探して、そして見つめて」です。

3.在来種タンポポが繁殖してきた環境を再現する:弱酸性の土と水を使う

シロバナタンポポを発芽させるには、①弱酸性の土と②弱酸性の水が必要です。この二つがそろい「トータルで弱酸性の環境」にならないと、シロバナタンポポの発芽率は改善されません。

参考資料

次の図表に見るように、弱酸性の土壌pHが必須です。土壌pH6.0前後が望ましいです。(シロバナタンポポは在来タンポポです)
図表:在来タンポポと外来タンポポの出現頻度と土壌条件との関係

資料出所:「タンポポの分布と土壌との関連」(福田 直, 長谷川 寛, 大小治 悦夫, 1999-12)より図表掲載。

(1)弱酸性の土:都市、宅地の土はアルカリ性で不可

現在の宅地などはコンクリート壁に覆われ、または地盤改良工事などをされて、土壌がアルカリ性になっています。

これが、在来種の日本タンポポが少なくなってしまった要因と言われます。

ですから、庭の土などを気軽に使った場合、その土は弱酸性ではない可能性が非常に高いのです。これでは発芽の為の条件を満たしていません。
(ただし、古き良き地域の土は弱酸性かもしれません。)

ちなみに、シロバナタンポポの場合は、他の在来種と違って単為生殖が可能なので、受粉のための昆虫が少ない都市でも繁殖できます。

(2)弱酸性の水:水道水はアルカリ性で不可

ほとんどの水道水はアルカリ性です。これでは発芽の為の条件を満たしていません。

(3)弱酸性の土をどう得るか?培養土を買います

野菜用の培養土は、大抵が弱酸性です。せっかく買うのですから、必ず「弱酸性かどうか」確認して買いましょう。パッケージの裏面、下の方に書いてあることが多いです。

書いてなければ、売っているお店に聞きましょう。お店でもわからなければメーカーに確認してくれます。

種蒔き用の土も、弱酸性の場合が多いですが、こちらも念のため確認しましょう。

「水でふくらむ土」など特殊なものは相性問題があるのでやめた方が無難です。

(4)弱酸性の水をどう得るか?雨水を使います

通常、今の日本の雨水は弱酸性です。これが最適です。

A.雨水を集める具体的方法例

ダイソーのガーデニングマットを使うと簡単に雨水が集められます。ちょっと大きめの段ボール箱に、ガーデニングマットをセットし、中央に重しをおいて風で飛ばないようにします。

(5)弱酸性のミネラルウォーターもあります

A.「谷川山系のおいしい水」テーブルマーク社は弱酸性の水

しかし、雨が降らない場合もありますし、いきなり雨水を溜めろと言われても困りますね。その場合は、弱酸性のミネラルウォーターを買いましょう。もちろん、軟水が良いです。大抵のミネラルウォーターは弱アルカリ性で硬水です。私が確認した範囲では、「谷川山系のおいしい水」テーブルマーク社のものが弱酸性かつ軟水でした(ph値は加藤が測定実施)。私はローソンストア100で買いました。

B.新潟県南魚沼郡塩沢村のナチュラルミネラルウォーター

おそらく、新潟県南魚沼郡塩沢村でとれた水を使ったナチュラルミネラルウォーターは同様に弱酸性と思われます(全ては確認していません)。

(6)家庭用浄水器の弱酸性水生成機能

家庭用浄水器には、弱酸性水生成機能がついているものがあります。私はそのph値を確認するに至っていません(弱酸性か、強酸性か不明です)。

浄水機能を使う場合は、ph値は水道水に準じます(たぶん弱アルカリ性です)。

4.シロバナタンポポの具体的発芽方法

シロバナタンポポを発芽させるには、トータルとして弱酸性の環境にしてあげます。具体的には次の通りです。(加藤の実施した方法です。発芽率5割です。)

①一晩水に漬ける②キッチンペーパーに並べる③乾燥させない④根がでたら土へ植える⑤本葉が育ったら定植。

(1)一昼夜水に漬ける(弱酸性の水)

(2)キッチンペーパーを水に浸し種を並べる(弱酸性の水)

種が水でひたひたになるくらいにします。完全に水没するのではなく、ほんの少し空気に触れる程度が良いでしょう。

その上に、キッチンペーパーを折りしいて、種が常に水に浸るようにします。仮想的に土の中にいるようなイメージです。

新情報new改良発芽方法を改善!キッチンペーパーを2倍に。1枚を左右から折ってさらに縦に折ると6層、上に1層カバー。カバーすると過湿気味。それを倍の12層にして上のカバーをやめたら発芽率がより良くなりました!しっとり湿度が土の様で良い感じ。

(3)弱酸性の水をかけ乾燥させない(弱酸性の環境になる)

A.霧吹き

霧吹きがあれば、それで一日三回ほど弱酸性の水を吹きかけます。霧吹きがなければ、静かに水を注ぐだけで大丈夫です。

B.雨天は外に出し雨水をかける

強風、暴雨でないならば、雨天には外に出し自然にまかせましょう。ただし、過湿にならないように適度に外にだします。

 ほんの少しでも根がでたら、すぐに土に植えた方がよいです。上の事例の写真のように、数日おくと根が伸びすぎて、植え替えるときに(切ったりして)痛めてしまうリスクが増えます。

(4)根がでたら種蒔き用の土などに植える(弱酸性の土)

種から根がでたら(発芽したら)、市販培養土や種蒔き用の土などに植えましょう。もちろん、弱酸性の土でないといけません。育苗ポットのような小さな鉢に弱酸性の土を充填し、発芽した種を移します。

A.育苗ポット使用例

いろいろなポットがありますが、サカタのタネの「Yポット」という12cmポリポット鉢が安くて調子が良いです。半年くらい育苗し、別の場所に定植する前提ならこれが良いと思います。
(鉢で大きく育てる場合は、水はけの良い大きめの鉢の方が良いでしょう。シロバナタンポポの葉が大きく広がりますので。)

下は「Yポット」の画像です。(画像出典:サカタのタネ)底面に穴が3つあるので、通気性、排水性に優れます。底に水が溜まるスペースがあるので、保水性も良いです。

(5)発芽しなかった種子は秋に発芽できるよう保存

春に発芽しなかった種子は秋に発芽できるよう保存しましょう。過乾燥の可能性が低くなる「地面の土」にまくか、鉢にまいて乾燥しすぎないように時々水をあげましょう。

5.新情報new改良最も効果的な方法(細かい作業あり)

最も効果的な方法を解説します。シロバナタンポポの種子を少数入手して、できるだけ発芽率を上げたい場合などに好適です。ただし、多少細かい作業がありますので、万人向けではありません。

(1)脱脂綿で最適な湿度を保つ方法

キッチンペーパーを何重にも折り曲げて重ねる方法が一番やりやすいのですが、脱脂綿を厚めに敷き詰めると、もっと湿度が保てます。脱脂綿の上には、透明な容器の蓋などを被せてやると、湿度がさらに保てます。完全にふさがない方が良いでしょう。

脱脂綿にシロバナタンポポの種子を蒔くネットでカバーし雨水にあてる

ネットでカバーして、外に出し、雨水に当てるのも良い方法です。

(2)双葉が見えたら周囲で多数が発芽している!

湿度を維持するには、脱脂綿が最適です。しかし、リスクもあります。それは、発芽した種子の根っ子が、脱脂綿に絡んでしまうのです。

このリスクは、毎日こまめに観察し、種子から根っ子が出たら(発芽したら)、ポットの土へ植え替えることで避けられます。

双葉が出るまで待ってしまうと、根が絡まっている可能性が高いです。下の写真には、わずかに双葉が見えますが、それ以外に沢山の種子に根が生えています(発芽しています)。ですから、双葉が一つでも見えたら、周囲に沢山の種子の根が出ている(発芽)と考えて、根が出ている種子を見つけて直ぐにポットの土に埋めましょう。

シロバナタンポポの根が出た発芽状態

(3)脱脂綿からピンセットで根を分離するリスク

双葉の根が脱脂綿にからまっていたら、直ぐに、ピンセットを使って脱脂綿から種子の根っ子を外しましょう。多少、脱脂綿がついていても問題ないでしょう。(綿なので、土中で分解されますから。)

脱脂綿に絡まった種子の根脱脂綿に絡まった種子の根を分離

6.新情報new改良簡単なのに効果的な方法:卵容器のドーム

(1)生卵のパッケージを切って透明な屋根を作る

ホーリーバジルは好光性種子なのでシロバナタンポポと同じような発芽特性です。ホーリーバジルの種は直ぐに土に潜ってしまい光が当たりません。しかし光を優先して土の表面に置くだけでは乾燥しがちで発芽率は今一つでした。そこで、二回目の種まきの際に、生卵のパッケージを切って透明な屋根を作ることにしました。

実際に、生卵のパッケージを切って透明な屋根を作ってみると、大変良い塩梅になりました。まず、光を通しながらも、種を乾燥から守ります。そして、種が発芽した際にも、ドーム型になっているので、発芽したばかりの弱い芽を抑えつける心配はありません。

また、水を遣る場合にドームの上からかけると、種を上手に避けて周辺部へ水が流れていきます。小さい種の場合は、種に直接水がかかってしまうと、種が土の中に流れ込んでしまいがちです。

(2)卵容器のドームの優れている点

卵容器のドーム(生卵のパッケージを切って作る透明な屋根)を使って、ホーリーバジルを発芽させる場合の優れている点は次の通りです。

  • 光を通しながらも、種を乾燥から守ります。
  • 種が発芽した際にも、ドーム型になっているので、発芽したばかりの弱い芽を抑えつける心配はありません。
  • 水をドームの上からかけると、種を上手に避けて周辺部へ水が流れていきます(種が水で地中へ流されません)。
  • 適度な隙間がありますので、湿度過多になりません。
  • コストはゼロ円です。

7.一般的注意事項

どうやって発芽しにくい種子を発芽させるか、一般論まで含めると本が一冊書けてしまいます。そこで、一般的なことを簡潔に以下に記載します。

  • シロバナタンポポの発芽時期は、春と秋です。春に種をまいても秋まで発芽しないものも混在しています(最良の発芽条件をそろえても、全数が発芽するわけではありません)。
  • 新情報new改良若いシロハナタンポポの株から採取した種は、数か月経たないと発芽しないかもしれません。若い株の花が春に咲いて、その種を蒔いても発芽し難いです。2019年初夏にそういう体験をしました。(一方、野生の多年を経た株の種は、春の花の種が直ぐ発芽しましたので、意外でした。)自然のものですので、いろいろな諸条件があるのでしょう。
  • シロハナタンポポの育った場所(産地)によって発芽率が異なります。各地のシロバナタンポポを種まき試験してみました。①広島県呉市の種は発芽率が良好で、茶色い色素(発芽抑制物質と予想)が少なかったです。②青森県の種は最北で茶色い他に紫色の色素が多く出て発芽率が悪かったです③神奈川県の種も発芽率悪く茶と紫の色素が混在しました。濃い色素は発芽抑制物質の濃さを表すように思えます。一定の法則性があるようです。また、寒い地域の種子は、発芽に時間がかかるようです。同じ呉市でも、山地(やや寒い)と里山(温暖)ではまた違うようです。
  • 発芽までに10日前後かかります。地道に水やりして待ちましょう。
  • 種子が空気に触れるように配慮します(水にどっぷり漬けっぱなしはいけません)。
  • シロバナタンポポは太陽光に当てないと発芽しません(好光性種子のため)。完全に土の中に埋めると、発芽し難いです。
  • 何事もやりすぎはいけません(つい水をやり過ぎると、発芽した小さな根が腐ります)。
  • 発芽促進剤などはテストしていません(相性問題等は管理しきれません)。
  • 植え替える場合は直射日光、強風から守ります(1週間程度)。
  • 発芽直後の幼苗の段階では強い肥料は控えます。

8.どうやって見つけたか?試行錯誤による知識の成長

私は園芸の初心者です。しかし、なんとかシロバナタンポポを育てたいと思い、インターネットなどでいろいろ発芽方法を集めました。

(1)発芽法のハウツーでは無理だった

 キッチンペーパーを水に浸し種を並べて、シロバナタンポポの発芽状況を慎重に管理していました。ところが、なかなか発芽しません(当時は中アルカリ性の水道水でした)。

(2)適当にまいた種が発芽した!なぜ?

ふと気がつくと、「まあ、これは余った種だから」とハーブを育てる予定の鉢にまいた種が高い確率で発芽しているのです!
できるかぎり慎重に丁寧に管理しているシロバナタンポポの種が発芽せず、適当にほったらかした種が発芽しています。「なぜなのか?」謎が謎を呼びます。

今考えると、この培養土は弱酸性の土でした。土の弱酸性が強いので、水道水でも全体としては弱酸性になっていたのでしょう。また、雨が降れば当然、弱酸性の水が供給されます。

(3)雨が降ると発芽するような気がする

他の植物の種子をまいてみて、そのうちに「いつも水道水をかけているのに、雨が降ると発芽するような気がする」と思い始めました。そして、「雨の意味とはなんだろうか?」と考えたのです。例えば、雨の意味は次の通りです。

  • 高い湿度(キッチンペーパー方式で、水でひたひたにし常時高い湿度なので、改善内容には該当せず)
  • 湿度の変化するプロセス(可能性は低いと思われる)
  • 雨水の性質
  • その他(まだ明らかになっていない自然現象の影響?未知の事柄は管理不能)

そして、もしやと思って、土壌のph値をチェックするために買ってあった(廉価な)リトマス試験紙で雨水を測ってみると、弱酸性です。水道水は、中アルカリ性です。

キッチンペーパーは中性ですので、この方法ならば環境を支配するのは水のph値ではないかと思いついたのです。そこで、雨水を注いだところ、パッと10個が発芽したのです。

9.シロバナタンポポが発芽しない本質は何か?

このように、試行錯誤をしてみて、ようやく「発芽しないという状況の本質は何か?」に思い至ったのです。そして、その本質を変えないと発芽率は改善されません。

シロバナタンポポの「発芽しないという状況の本質」は、日本の国土が様々な開発により弱酸性の土壌からアルカリ性の土壌に変わってきたことなのです(それ自体に善悪は関係ありません)。
昔、弱酸性の土壌が一般的だった頃は、在来種のタンポポは普通の雑草に違いない強い生命力を持っていたのです。

しかし、今や在来種のタンポポは、環境変化に適応できない植物になってしまいました。植物自身が新しい環境に適応するには大変長い時間が必要ですから、今シロバナタンポポを楽しむのは困難です。
そこで、今シロバナタンポポを育てるなら、環境の方を、昔の環境に戻してやるのが正解なのです。たとえ、一部分の土壌であっても弱酸性の培養土にし、できるだけ弱酸性の水を使うというようなことが具体的方針になります。
例えば、庭に植えるならば、一袋14L入りの弱酸性の培養土を買ってきて、その分の庭土を入れ替えます。そうすると、そこだけは仮想的に昭和の土にもどるのです。

10.他の種に応用してみる:なぜか発芽率が悪い植物の発芽率向上のヒント

たとえば、アルカリ土壌に適するセージというハーブがあります。発芽率が悪いと言われています。私もセージの種をまいてみましたが、なかなか発芽しません。
実は、種蒔き用の土は、弱酸性の土の場合が多いのです。アルカリ土壌に適するセージを弱酸性の土にまいても、発芽率が悪くなるのは当然ですね。レモンバームもローズマリーも同様ではないでしょうか?どうぞアルカリ性の土に種をまいて、試してみてください(私はシロバナタンポポに忙しくて、まだ試せておりません→セージで弱アルカリ性の土への種まきを試しました!発芽率が向上しました)。水は水道水がアルカリ性ですから簡単です。

まとめ

  • シロバナタンポポを発芽させるためには、日本古来の自然環境に整えることが必要です。具体的には、弱酸性の土、弱酸性の水です。
  • 土は弱酸性にする方が多いでしょう(宅地はコンクリートなどで弱アルカリ性に傾きます)。盲点になりがちなのは、水です。水道水は弱アルカリ性なので、清潔な水を使っているつもりでも、発芽が困難です。そこで、弱酸性である雨水を集めて使いましょう(弱酸性のミネラルウォーターも廉価に売られています)。
  • また、シロバナタンポポは野草なので、市販の肥料はあげてはいけません(市販の培養土には肥料が含まれていますので要注意です)。野原にあるように育ててあげましょう。

関連記事:「白花タンポポの簡単な発芽方法|気軽に手軽にシロバナタンポ」「シロバナタンポポの育て方|工夫改善奮闘記」「腐葉土の「完熟」の謎|白花タンポポを育てるために」

シロバナタンポポの発芽方法の改善!ハウツーから試行錯誤による知識創造へ” に対して4件のコメントがあります。

  1. さとうちひろ より:

    在来種タンポポに はまってる人を見つけ嬉しくなりました。梅ノ木の下をフキノトウ、カントウタンポポ、シロバナタンポポでイッパイにしたいの。

    1. Masao_Katou より:

      こんにちは。コメント有難うございます。在来種タンポポは日本の草花なので大切にしたいですね。在来種タンポポは花も可愛らしいですし、育てて楽しいです。肥料をやり過ぎないようにすれば、害虫にも強いですし。食べても美味しくて、栄養満点だそうです。(私はまだ食べられるほど沢山育てていませんが。)シロバナタンポポは神秘的で特に美しいですね。これからも、在来種タンポポを楽しんで愛でてくださいね。

  2. かわばた より:

    はじめまして、私もタンポポ育てています。

    雑草の為栽培方法が見つかりませんでした。

    ただ、どこでもシロバナタンポポの発芽率低いって記載されていますがうちではほぼ100%です。

    どのたんぽぽも同様に発芽しますよ。

    ただその後がうまく育ちません。
    水耕栽培ならすぐ育つのですが土に植えると難しいです。

    毎年ヨトウガにやられてしまいます。

    1. Masao_Katou より:

      かわばた様 初めまして、こんにちは。
      コメントくださり、有難うございます。
      シロバナタンポポは野草ですので、昔の日本の環境が残っていれば、普通に発芽します。
      (市販の培養土も弱酸性なので普通に発芽しますが、それでも時期がずれたりします)
      夜盗虫は、私も悩まされました。その時は、アリが助けてくれました。(記事あります)
      今は、植物もいろいろ増えてきましたし、農薬を使わずに虫を活かしているので、それほど悩まされなくなりました。
      カタツムリとか、まだやっかいな害虫がいますけれど。

      追伸
      PIAZZA素敵ですね。私も大好きで、実は一時PIAZZAに乗っていた事があります。
      SOHCのATでしたが、普通に運転するのが素晴らしい車でした。何と言うか、手の内に入ると言うか、たぶんゼロ戦の操縦性はそんな感じだったのでしょう。
      他にも乗りたい車があったので手放してしまいましたが、後悔しています。
      今でも、乗ってみたい車です。やっぱりターボのロータスがいいかな?などと夢想しています。
      コロナがなければPIAZZAの事などいろいろ教えていただきたいところです。

      いろいろ大変な時ですが、頑張りすぎず、お健やかに。

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