新しい管理者の役割(マネジメント能力の開発1)
「新しい管理者の役割」とその背景となる経営環境の変化、新しい経営管理のスタイルを解説します。現代では、目標の達成や顧客満足の最大化という戦略課題に現場重視で自律的に取り組む「アップ・アンド・ダウン型のマネジメント」が求められます。
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目次
1.経営環境の複雑化と現場重視の戦略的経営
現代の経営環境は非常に複雑になり、様々な事柄を同時に考えなければ合理的な意思決定ができません。さらに、経営環境の変化スピードが速く、また変化の規模も大きくグローバルになっています。例えば、携帯電話業界ではiPhone(スマートフォン)という黒船が上陸し、瞬く間に市場シェアを拡大しました。そのiPhoneが従来ライバルと考えられていた電話機メーカーではなく、パソコンメーカーにより作られて外国からやってきたというのは、経営環境が非常に複雑になっている現代を象徴しています。
こうした複雑な経営環境下では、参考にできる先進的なお手本があったり、分析を重ねることで良い計画が立てられたりという従来の経営セオリーが限界に来ています。
2.お客様の喜ぶ製品・サービスを作り出せる自律型マネジメントへ
また、従来の技術指向の日本企業は、「お客様の喜ぶ製品・サービス」を作り出すのは苦手でした。例えば、オーディオ製品では、「大好きな沢山の音楽と毎日を一緒に過ごしたい」というお客様のニーズをつかんだ海外企業が、CDを超えた便利なiPod(圧縮音楽データ再生機)を爆発的にヒットさせました。 iPodは極めて沢山の音楽を手軽に持ち運べますが、音質的にはCDに劣りますので、機械的正確さという旧来の視点(作り手の視点)からは生み出されない製品・サービスです。
日本企業の例外的な成功事例としては、トヨタ・レクサス(日本名セルシオ)でしょうか。自動車もかつては「安くて故障しない」小型車が海外で沢山売れましたが、レクサスのような感性を重視しお客様の複雑な心理的満足感を高められるセンスある自動車を開発して発展を遂げています。
「お客様の複雑な心理的満足感」は、トップダウン型のマネジメントだけでは上手に満たせません。その主な理由は、お客様が製品・サービスを活用している現場から遠いところで考えるからではないでしょうか?
ではどうしたらよいのでしょうか?現場で日々たくさんのお客様と接するなかから、新しい製品・サービスの開発のヒントや新しい事業戦略のヒントも産まれます。忙しい日々の仕事をこなしながらも、「ふと眼の前のお客様の立場になってみる」そんな小さな行動から、より良い製品・サービスのヒントが産まれるのです。
だからこそ我々は、命令されたこと・言われたことだけをするのではなく、現場で日々たくさんのお客様と接しながら、自律的に自ら成すべきことを見出し、顧客満足という目に見えないソフトな品質の向上にも努力を傾ける必要があるのです。
3.管理者の新しい役割
従来は、管理者の役割というと①仕事の管理、②人の管理、③組織業績の達成、④部下の指導育成がメインでした。いわば、経営者層が立案した経営戦略や計画を、実行に移す場合の「命令と統制」を中心としたトップダウン型マネジメントの役割でした。
しかし、今日の管理者は、今までの職務完遂・目標必達のトップダウン型マネジメントを尊重しながらも、現場で眼の前の顧客を見つめて優れた仕事を創造していく役割を担う必要があります。これは、従来の改善活動・QCサークル活動などに見られる単純なボトムアップ型マネジメントではありません。目標の達成や顧客満足の最大化という戦略課題に現場重視で自律的に取り組む「アップ・アンド・ダウン型のマネジメント」です。今日の管理者の新しい役割には、次のようなものがあります。
(1)企業理念を部下・職場に徹底する
企業理念は経営者層が策定し、トップダウンで下りてきます。では、企業理念を部下・職場に徹底するにはどうしたらよいのでしょうか?
企業理念は、会社の中の大切な事柄・価値観を簡潔にまとめていますので、ただ単純に経営理念を伝えるだけでは、部下は理解することが難しいのです。なぜなら、企業理念の同じ文章(同じ情報)を読んでも、上司と部下の理解力には大きな差があるからです。一般社員は高度な経営情報に接する機会、経営課題に取り組む機会が少ないので、学習の機会が少ないために企業理念の理解度が低くなりがちです。ですから、常に経営トップの意見を聞き、複雑で難しい経営課題に取り組んでいる管理者が企業理念を部下・職場に徹底する役割を担う必要があるのです。
(2)多様な価値観をもつ部下のモチベーションを高める
部下のモチベーションをどう高めるかは、昔から管理者の重要な役割でした。しかし、日本経済が発展を遂げ、今日の豊かな社会の中で生まれ育った部下は十人十色の多様な価値観を持っています。
十人十色の多様な価値観を認め、部下の現在の欲求を満たしてあげることも重要です。しかしそれだけではなく、どうやったら部下をより優れた状態へ成長させられるか?より高度な欲求に気付くよう啓蒙していけるか?といった視点も欠かせません。
(3)社内のコミュニケーションを活発化する
多様なお客様のニーズに対応したり、複雑で高度な経営課題に取り組むためには、今ある組織の枠組みを超えて取り組む必要が生まれてきています。例えば、日産のゴーン改革の柱は、クロスファンクショナル、つまり組織の役割を超えた仕事・課題への取り組みを徹底する事でした。また、「お客様に喜んでいただくために」という視点から行動すると、自然に組織の役割を超えた仕事・課題への取り組みにつながるのかも知れません。このような、社内のコミュニケーションの活発化を図るのは、管理者の重要な役割です。
(4)組織の信頼関係・組織のチームパワーを高める
企業は人間の集団(組織)です。組織のパワーは社員一人ひとりの協力があってはじめて相乗効果が生まれ高まります。沢山の社員の協力は、人間同士の信頼関係がなければ実現できません。したがって、組織の信頼関係・組織のチームパワーを高めるのは管理者の重要な役割なのです。
4.リーダー・管理者に役立つ参考書籍
『ちょっとズレてる部下ほど戦力になる!』日本経済新聞出版社刊、加藤昌男著。最新刊!(このホームページ上にも紹介記事ページがございます)
若手社員を戦力化し、職場を活性化する最新のノウハウを解りやすく説明しています。若手社員を戦力化しやる気にさせる方法、内発的動機付け、仕事の楽しさを味わう方法、組織活性化の方法、コミュニケーションを取る方法などこのページでは紹介しきれない沢山のケースや実践例で説明しています。さらに、具体的方法、具体的プログラムなどお役にたつツール(ソリューション)をまとめました。きっと皆様のお役にたつことと思います。わかりやすく平易な文章で丁寧に書いていますので、「とても読みやすい」「読んでいて面白い」と喜ばれています。
若手社員は本当は戦力になります!若手が何を考えているか解らないと悩むリーダー・管理者の皆様の為に書きおろしました。
『労政時報』の労務行政研究所様が、拙著のレビューを書いてくださりました(人事・労務の専門情報誌『労政時報』の労務行政研究所が運営するjin-jour(ジンジュール)様からのレビューです)。誠に有り難うございます。