シロバナタンポポの花壇の作り方|家庭での実践編

 シロバナタンポポは野生の植物です。ですから、開発された土地で、園芸植物用のノウハウで花壇を作り、育てても上手くいきません。「豊かな自然を再現する」ことが、シロバナタンポポ栽培のポイントです。そこで、ご家庭でシロバナタンポポの為の花壇を作る方法を具体的に解説します。これは、私の体験に基づいていますので、ご家庭で気軽に花壇を作る場合にお役にたちます。また、野草の花壇を作る場合にもお役にたつと思います。

 自然栽培(肥料を極少なく使う無農薬有機農法)がシロバナタンポポに適します。これはあるべき論ではなく、そうしないと病害虫の被害が多いからです。シロバナタンポポ花壇を作る際に配慮すべき点は次の通りです。

【具体的ポイント】①鹿沼土とピートモスを土に混ぜ込み、土壌pHを6.0にします。②パーライトやゼオライトを混ぜ込み、水はけと通気性を改善します。③腐葉土を混ぜ込み、土を豊かにします(肥料は極少量だけ使います)。

目次

1.シロバナタンポポが育つ花壇のポイント

 普通の花壇には、園芸植物(育てて楽しみ、見て楽しむ用途に品種改良されている花など)が植えられています。しかし、シロバナタンポポは野草(野生の植物)です。

 したがって、シロバナタンポポが育つ花壇は野草用の花壇である必要があります。それは、一言でいえば、シロバナタンポポが育つ豊かな自然環境を、花壇の中に再現することです。

 シロバナタンポポ花壇を作る際に配慮すべき点は次の通りです。

(1)弱酸性の土壌が必須:pH6.0に改良する

 シロバナタンポポの生育には、弱酸性の土壌が必須です。したがって、酸度調整の土壌改良が必須です。土壌pH6.0(5.5から6.5程度)に改良します。

 常識的には、日本の土壌は酸性雨が降るため等から、酸性に傾くと言われてきました。(そして、土壌改良も石灰をまいたりする「酸性の土のアルカリ性を強める対策」が必要だと言われてきました。特に、家庭菜園などの入門書には顕著な傾向です。その常識が、シロバナタンポポを育てる場合、コンクリートやセメントで開発された土地や庭、花壇では逆に働くのです。)

 住宅の庭や開発された場所などには、コンクリートなどアルカリ性の物質が沢山あります。そのため、現代日本では、手つかずの自然や、逆に酸度を調整された畑以外は、弱アルカリ性の土壌になってしまいがちです。そのため、シロバナタンポポは繁殖できる場所が年々減ってきています。(下の「タンポポの分布と土壌との関連」図表に見るように、シロバナタンポポは、6.0前後の酸度で繁殖します。7.0以上ではほとんど生育していません。)

(2)肥料は入れない:土壌の有機物で育てる「自然栽培」

 肥料で育てるのではなく、土壌の有機物で育てます。肥料で育てると、必ず病気や害虫に襲われるためです。野草であるシロバナタンポポは、園芸植物に肥料を与えるように施肥すると、肥料分の効き目が良すぎて直ぐに「肥料過多」の状態になってしまいます。うどんこ病が出たり、青虫に齧られたりします。栽培の実体験からの教訓です。
「シロバナタンポポの育て方|工夫改善奮闘記」記事参照
(5)肥料が多いと上手く育たない

 肥料の代わりに、腐葉土など有機物を土壌にすき込みます。

(肥料を入れる例外は、種が発芽した直後の、光合成が十分にできない状態のみです。若苗が育つために、わずかな肥料が必要です。肥料を使う場合は極少量、シロバナタンポポの様子を見ながら与えましょう。)

 これは、一言でいえば自然栽培(肥料を極少なく使う無農薬有機農法)です。野草であるシロバナタンポポを育てるならば、基本は無農薬栽培で育てるべきだと思います。

(3)植物が育ちやすい土壌・環境に改良する

 これは、シロバナタンポポに特有の条件ではありませんが、必要な事です。花壇は土の量が多いため、植物の育ちやすい土壌にまで改良されていない場合があります。植物の育ちやすい土とは、具体的に言うと、①水はけが良い土、②通気性が良い土、なおかつ③保水性が良い土です。

 また、植物は日当たりのよい場所で育ちます。一日中日が当たるのは、ある意味贅沢ですのでそこまで求めませんが、せめて半日くらいは日が当たる環境が良いでしょう。風通しも重要です。害虫を避けようとして、ビニールなどで囲うと、風が吹かない為にうどんこ病などの病気になりがちです。

2.植物に適した土壌のpHは弱酸性

 一般的に、植物に適した土壌のpHは弱酸性です。(外来植物の中には弱アルカリ性を好むものもありますが、シロバナタンポポとは関係ないため、この記事では触れません。)

(1)シロバナタンポポには弱酸性の土壌pHが必須

 次の図表に見るように、弱酸性の土壌pHが必須です。土壌pH6.0前後が望ましいです。(シロバナタンポポは在来タンポポです)

図表:在来タンポポと外来タンポポの出現頻度と土壌条件との関係

資料出所:「タンポポの分布と土壌との関連」(福田 直, 長谷川 寛, 大小治 悦夫, 1999-12)より図表掲載。

(2)弱酸性の土壌で養分が一番利用される:植物に適する

 5.5から6.5の土壌pHにおいて、養分が一番利用されやすくなっています。pHが6.0以下になるとCa・Mg・Moが溶解し難くなり、反対に7.0を超えると微量要素(Fe,Mn,Zn,Cu)が不溶となります。鉄は葉緑素を作るのに必要ですから微量といえども重要です。

資料出所:「園芸コーナー」公益財団法人 東京都農林水産振興財団

(上の資料出所で語られている内容は、土壌が酸性に傾く害と対策の論旨であるため注意が必要。コンクリートなどで造成されている家庭では弱アルカリ性に傾きやすい。もちろん、強い酸性の土壌も植物には不適。)

(3)土壌微生物の活性低下

チッソを植物に吸収しやすい形にしたり、空気中のチッソを肥料分としてとり入れる土壌微生物の活性は酸性土壌では著しく落ちてしまいます。

資料出所:「園芸コーナー」公益財団法人 東京都農林水産振興財団

 土壌微生物の活性低下は、土壌がアルカリ性に傾く場合も同じです。土壌微生物は、自然栽培では非常に重要です。

(4)菌類とその至適pH

硝酸菌 6.8~7.3
根粒菌 6.5~7.5
糸状菌 5.0~6.0
亜硝酸菌 6.7~7.9
細菌・放線菌 6.5~7.5

資料出所:「pHの調整は、何故植物にとって必要なのか?」Kishima’s Websites

3.園芸植物と野草の育て方は違います!

(1)園芸植物とは

 園芸植物とは、生産、加工、または造園の目的で栽培されるようになった植物です。もともとは野生の植物であったものを、庭や家の周りに植え、やがて花壇に植えるようになりました。品種改良して、栽培しやすくされているものも多いです。

 例えば、ミニトマトなどは、「試しに栽培してみよう」と考える一般人にも栽培できるように、品種改良が進んでいる。ミニトマトの栽培は、簡単とは言わないが、大抵の人が常識的に栽培すれば、少々の果実を収穫できます。(ホームセンター等で売っている植物は、栽培の難易度が高いと商品価値が低くなる。)

(2)園芸植物は育て方のシステムが確立している

 ミニトマトの栽培の場合には、ミニトマト用の土(培養土)、ミニトマト用の肥料、ミニトマト用の農薬、ミニトマト用の支柱などを買えば、大抵は収穫までたどり着けます。この栽培システムは、他の園芸植物でも大同小異です。

 そして、インターネットで検索すると、この園芸植物の育て方がヒットするのです。それは、野草であるシロバナタンポポには不適切な場合が多い事を思い出してください。

(3)野草は豊かな自然を再現することで育てる

 野草は園芸植物のようなシステムが無いので情報が少なく、苦労します。野草は、豊かな自然を再現することで育てますが、これが難しいのです。しかし、その「豊かな自然を再現することで育てる」という事が、喜びでもあるのです。

4.花壇の改良前:赤土、土壌pH7.0

 シロバナタンポポの花壇を作った場所は、一応「花壇」として煉瓦で囲まれていました。見た目は立派な花壇でしたが、土壌はダメ土でした。関東地方ではごくありふれた「やせた赤土」で、なんとか植物が育つ程度の土壌でした。
注:赤玉土ではありません。粉のようになる関東ロームの「赤土」です。

(1)関東ロームの赤土

 水はけは普通の状態で、大雨が降れば多少の水たまりはできる程度。褐色の土であり栄養は少ないです。黒土のように腐植(植物が枯れて堆積した土壌の有機物)が豊富な土ではありません。

 適当に選んだ関東地方の土を、庭の表層に敷き詰められていました。(深い場所は地盤改良実施されている)

腐植(ふしょく、英: humus)とは、土壌微生物の活動により動植物遺体が分解・変質した物質の総称である。

資料出所:ウィキペディア(Wikipedia)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%90%E6%A4%8D%E5%9C%9F

(2)関東ロームの機能性

  • 通気性△(劣る)
  • 水はけ△(劣る)
  • 保水性◎(優れる)
  • 保肥力◎(優れる)土そのものが肥沃なわけではない。

(赤土は、本来は土壌pH:PH4.0~6.0位の弱酸性)

(3)関東ロームの特徴

火山灰土の下層30センチ位の黄褐色のローム質火山灰土が赤土です。水持ち、保肥力がよく、表土の下層部で雑草種子の混入が少ない為、他の用土と混ぜて基本用土として最適です。黒土と同様水はけ、通気性が劣る為、他の資材での改良が必要です。

参考資料:「原料用土の機能と特性│ベース用土・植物性用土」森産業株式会社、2013年。

(4)土壌の酸度(土壌pH):微アルカリ性でシロバナタンポポに不適だった

 花壇作り開始にあたって、土壌の酸度を簡単に測定しました。廉価なリトマス試験紙を使いましたが、必要にして十分です。

 土壌の酸度は7程度(微アルカリ性)。

 7.0は、シロバナタンポポの生育には不適切な土壌pHです。(上の「タンポポの分布と土壌との関連」図表に見るように、シロバナタンポポは、6.0前後の酸度で繁殖します。7.0以上ではほとんど生育していません。)

5.ステップ1:土壌の機能性を改善する

(1)①水はけ②通気性を改善

 シロバナタンポポを育てるために、この関東ローム(赤土)を、特に改良すべき機能性は、①水はけ、②通気性です。(これはどの植物も同じです。)

 そのための土壌改良資材は、大きな袋パッケージで買いましたので、案外廉価です。黒曜石パーライト(ビーナスライト)と、ゼオライト(硬質天然、3-8ミリ)を使用しました。土壌改良は最初に行い、シロバナタンポポを植えてから後ではやり直せませんので、できるだけ良い方法で改良したつもりです。
 ただし、シロバナタンポポはそれほどデリケートな植物ではありませんので、パーライトとゼオライトにはそれほどこだわらなくても良いと思います。この花壇を作った時は、「シロバナタンポポは加湿に弱い」という情報が心にひっかかっていた為、万全の対策をとりました。

 ちなみに、以下のパーライトとゼオライトの説明は、商品販売元の商品説明を引用しています。

(2)黒曜石パーライト

 黒曜石パーライトの特徴は次の通りです。(真珠岩パーライトとは特性が違いますので注意してください。)

黒曜石パーライト(ビーナスライト)は、空気を含んだビーズ状で排水性・通気性に優れた土壌改良材です。

また、粒子には細かい穴がありそこに必要最低限の水分を蓄えることで保水性も兼ね合わせ、排水性と両立させる働きを期待できます。更にパーライトにはイオン交換性も認められ、付着水はミネラル水となり、根腐れ予防効果があると報告されています。保温、断熱性にも高くまた化学的に安定であるため工業分野でも用いられています。

土の団粒化にも貢献し、有効微生物が住みつき土壌の改善へと繋がります。

黒曜石パーライトの芯には空気が含まれており、潰れない限り半永久的に軽量性を維持できます。

資料出所:「土壌改良剤 黒曜石パーライト 真珠岩パーライト 性質の違い」、株式会社アイ・エイチ・エス。

(3)ゼオライト

 土壌の保肥力(肥もち)を良くすることができます。これと同時に粒状ゼオライトの物理的作用により、通水性・通気性を高めることができます。即ち保肥力と通気通水性の双方を同時に改善できるのです。

 また、植物の根から出る不良ガスを吸収。根腐れ防止に最大の効果を発揮します。

資料出所:「ゼオライトの利用法、効果など」、サン・ゼオライト工業株式会社。

6.ステップ2:土壌に肥料分・有機物を入れる

 肥料はできるだけ使いません。腐葉土を中心に、バーク堆肥、植物性の堆肥(オガクズを堆肥化したものなど)を土にすき込み、肥沃な土壌に改良します。もし、肥料を使う場合は、窒素分の少ない有機肥料(発酵油粕など)を極少しだけ使います。

(1)腐葉土

 腐葉土を土に混ぜ込むと、土壌の通気性、保水性、保肥性を改良します。さらに、土壌の微生物の働きを活性化する効果があります。腐葉土の中には、未熟なものもありますので注意しましょう。未熟な腐葉土を入れ過ぎると、植物の生育が悪くなる場合もあります。

 「良質の腐葉土」の例です。こちらは、パッケージなどそっけないのですが、もめば細かくなるなど熟成が進んでいたようです。パッケージは下の写真のようにそっけないです。「完熟」などというフレーズは書いてありません。しかし、美しいパッケージの完熟(?)腐葉土より品質が優れています。
光伸製瓦有限会社 「天然熟成 腐葉土」
光伸の天然腐葉土

(2)上質のバーク堆肥

 腐葉土に加えて、上質のバーク堆肥か、植物性の堆肥を少々すき込むと良い結果につながります。バーク堆肥は十分に熟成されている上質な物が望ましいです。(最近、近くのホームセンターが上質のバーク堆肥を売らなくなり、困っています。2年前までは良質のバーク堆肥が適価で買えました。)

(3)牛糞堆肥は禁止

 牛糞堆肥は使わない方が良いです。キク科に対して、中くらいの影響度(悪影響)があります。

 牛糞堆肥はかつて理想的に思えましたが、海外で使用された農薬成分(クロピラリド)により、生育障害を起こす可能性があるため使わない方が良いでしょう。私も2018年にミニトマト等に使ったところ、葉っぱがクルクルと巻いてだめになりました。もちろん、全ての牛糞堆肥に農薬成分(クロピラリド)が残留している訳ではありませんが、安全な植物性堆肥や腐葉土があるならそれを使うべきです。

農水省のHPのトマト栽培の手引きより
「輸入粗飼料を給与した家畜排泄物に由来する堆肥では、海外で使用された農薬成分(クロピラリド)により、生育障害を起こす可能性があるため、製造業者に確認し、履歴のしっかりした堆肥を購入すること。また、過剰に施用することのないよう、堆肥の施用量や施用方法を適正に守ること。」
 
 鶏糞は堆肥ではなく、肥料ですので、使いません。

7.ステップ3:土壌の酸度を改善する

 鹿沼土とピートモスを土に混ぜ込みます。家庭菜園レベルでは、これが一番簡単です。ピートモスには、水はけが悪くなる弱点がありますので、上で述べたパーライト、ゼオライトを混ぜる対策が重要になります。

 他に酸性肥料(硫安・塩安・硫酸カリ)を使って、酸度を改善する(下げる)方法もあります。しかし、窒素肥料である硫安・塩安は、野草のシロバナタンポポに使ってはいけません(病害虫に弱くなります)。硫酸カリも、使わない方が無難です。肥料は、有機肥料を極少なく使う方が良いのです。

(1)鹿沼土

  • 通気性◎(優れる)
  • 水はけ◎(優れる)
  • 保水性○(良い)
  • 保肥力○(良い)

pH:4.0から5.0の酸性

(2)ピートモス

  • 通気性○(良い)
  • 水はけ△(劣る)
  • 保水性◎(優れる)
  • 保肥力○(良い)

pH:3.5から4.5程度の強酸性
(ph調整済みのものがあり、その場合はph6前後なので酸度調整には向かない)

(3)酸度調整は二回実施

 一回土壌改良、酸度調整しましたが、酸度調整が不足したようです。二回目でようやく6.0程度に落ち着きました。ただ、私の場合は、直ぐそばにブロック塀があるので、再度アルカリ化しそうなリスクがあります。

8.ケース:実際の花壇の土壌改良の様子

(1)一回目土壌改良の様子

 パーライト、ゼオライト、腐葉土、ピートモス、鹿沼土を、もともとあった「関東ローム(赤土)」に混ぜ込みました。

 実は一回目で投入した土壌改良資材の土壌pHがアルカリ性だったのです。パーライト(ビーナスライト)は7、ゼオライトは8程度の弱アルカリ性です。ピートモス、鹿沼土を入れた酸性化分が、パーライト、ゼオライトを入れたアルカリ性化に相殺されたのでしょう。それゆえ、一回目の酸性化対策では不十分だったようです。

(2)二回目土壌改良の様子

 ゼオライト、腐葉土、ピートモス、鹿沼土をさらに混ぜ込む。鹿沼土よりピートモスの方が酸性度が高いですが、ピートモスには水はけが悪くなる弱点があります。そこで、根ぐされ防止のゼオライトを増量して、ピートモスをさらに多めに混ぜ込みました。これでようやく6.0程度に落ち着きました。

(3)完成したシロバナタンポポ花壇

 小さな若い苗を植えられたのは晩秋でしたので、防虫ネットで防寒も意図しました。また、草生栽培によって、病害虫からシロバナタンポポを守ろうと意図しました。特に、幼く小さな苗の場合は、生命力が弱いですから守ってあげる必要があります(害虫に齧られたり、霜柱で浮き上がったり、その程度でも幼苗にとっては命の危機です)。大きく育つと、丈夫になります。

 コンパニオンプランツとしては、クローバーはタンポポと相性が良いそうです(益虫を住まわせる場所になる、空気中の窒素を固定する)。白クローバーは地下茎で増え続けるので、植える場合は注意が必要です。この花壇では、赤クローバーの種を蒔きましたが、あまり育ちませんでした。一方で、クローバーがはびこると、その葉陰に害虫が隠れている場合もあるそうで、悩ましいです。

 草生栽培やコンパニオンプランツがどの程度効果的だったか?効果は測定できませんでしたが、おそらくやらないよりは、やったほうが良い結果につながったでしょう。人によっては、いろいろな植物が生えていて、雑然とし過ぎている印象を持つ方もいると思います。苗の周囲にツマヨウジを立てて、夜盗虫から守る対策もしています。

9.残された課題など

(1)専門性の高い「アルカリ土壌中和剤」

 専門性の高い「アルカリ土壌中和剤」は複数開発されています。家庭の場合は、それほど規模が大きくない為、上述の鹿沼土とピートモスで十分ではないかと思います。(ピートモスには水はけを悪くする弱点があるため、ゼオライト、パーライトなどを使うのが望ましいです。)

 専門業者が、公共的な花壇などを整備する場合には、当然こうした「アルカリ土壌中和剤」の使用も検討されるべきでしょう。

(2)再アルカリ化のリスクへの備え

 また、専門業者が公園の花壇を整備するような場合には、花壇のある場所にあるアルカリ性のコンクリートやセメントなどが、長期に渡って土壌を再度アルカリ化するリスクへの対応などが求められます。

A.再アルカリ化の要因

①下層および周辺からのアルカリ浸出

②セメント、コンクリートガラなどからの水酸化カルシウムの溶出

資料出所:「アルカリの障害性」株式会社インターファーム

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