会社の中に次世代を担うリーダーが育っていますか?中核人材が不足していませんか?会社の発展を担う中核人材・次世代リーダーを育成する効果的な方法があります。

 仕事が人を育てます。高価な研修を繰り返すのではなく、業績向上と人材育成を両立する「真の顧客志向」による効果的な中核人材・リーダー育成手法をご紹介します。
 お客様の発展を第一に考える「真の顧客志向」は、一部分利害対立するという葛藤を通して最適解を探すプロセスです。その葛藤を前向きに乗り越えることで社員は大きく成長・成熟できます。

Contents

1.真の顧客志向とは

(1)真の顧客志向の定義:お客様にとって何が最善か共に考え実践すること

 真の顧客志向とは、「お客様にとって何が本当に良いことなのか考え実践すること」です。具体的には、製品・サービスの提供によってお客様のパワーを増幅し、お客様の事業が発展するように支援したり、お客様の生活をより良いものにすることです。
 表面的なニーズでなく、何がお客様にとって最善か共に考え実践することが重要です。顧客の未来ニーズ・潜在ニーズにも志向し、創造性を発揮してイノベーションを起こせる必要があります。
 もちろん、独善ではなくお客様との対話が必要です。お客様の理解できない製品・サービスではビジネスが成立しませんが、お客様の表面的ニーズに応えることが全てでもありません。

(2)真の顧客志向の本質:お客様と一体になって社会を発展させる企業行動

 つまり、真の顧客志向の本質は「お客様と一体になって社会を発展させる企業行動」です。
 換言すれば、お客様と共に次世代貢献マインドを育み実践することです。アップル社とトヨタ・プリウスの成功事例では、まさにここが共通した成功要因なのです。

2.情報の非対称性から顧客の気付かない事に気付く

 一般的にはお客様より製品・サービスの作り手の方が沢山の高度な情報を持っています。それが、「情報の非対称性」という考え方です。ですから、お客様と話をしていても、かみあっているようでいて、実はもやもやしている可能性があります。

 「こんな専門的な理屈(堅苦しい話、難しい事)を話しても、お客様には理解してもらえないかもしれない。それどころか嫌われるのではないだろうか?」という葛藤が生まれることもあるでしょう。

(1)顧客ニーズの階層と顧客の階層

 顧客ニーズには階層があります。表面的なニーズに応えていれば楽ですが、中期的に見るとお互いに停滞してしまいます。
 そんなところへ、他国からライバルが参入すると、たちまち負けてしまいます。表面的なニーズでなく、何がお客様にとって最善か共に考え実践することが重要です。
■顧客ニーズの階層             ■顧客の階層と次世代貢献マインド
顧客ニーズの階層、顧客の階層と次世代貢献マインド

 顧客ニーズの階層のポイントは次の通りです。

⑤困っている意識が無い:問題無自覚

 心は穏やかでいられるが実は企業が衰退している可能性がある。

④困っているが明確ではない(問題発見が出来ていない状態)

③「こんな事に困っている」問題解決のためのアドバイスが欲しい

②「こんな事がしたい」既知の問題解決方法が欲しい

 事例集などで学んだ方法など。問題解決のためのアドバイスは、その既知の範囲で欲しい。独自の問題分析、未知の解決方法は望まない。

①「これが欲しい」具体的ニーズ

(2)顧客の階層と社会への志向

 「顧客は誰なのか、どんなニーズに応えるのか」探求していくと、目の前のお客様だけではなくエンドユーザー、事業、その事業が関わる社会へと視野が広がります。
会社組織・社員の職業人生の同心円ストーリー1番身近な社会、具体性のある社会はお客さまのこと
 そして、お客様が一番身近な社会であることに気付きます。また、お客様も事業や生活で社会と常時接しているので、結局は社会へと意識が向かいます。それが社会貢献マインドにつながる論理です。(集団主義的な日本では強く作用します。)

A.顧客の事業・ビジネスを通して、便益を受け取る「未来の社会、子孫たち」がお客さまである。(次世代貢献マインド

B.顧客の事業・ビジネスを通して、便益を受け取る「社会」がお客さまである。(社会貢献マインド

C.顧客の事業・ビジネスがお客さまである。

D.エンドユーザーがお客さまである。

E.購買責任者がお客さまである。

F.担当者がお客さまである。

3.真摯に仕事をするとお客さまが育ててくれる

(1)顧客との対話

 お客様と対話しながら最適解を探求することで、顧客のニーズの本質を掘り起こせます。

(2)真の顧客志向からは「葛藤」も生まれる

 しかし、真の顧客志向からは「葛藤」も生まれます。顧客の気付かないニーズに応えることはビジネス(経済活動)の範囲を超えるのでしょうか?

 例えば、次のような葛藤が生じる可能性があります。
ビジネスで一番大事なのは、購買意思決定者のニーズを満たすことだけれど……しかし、」
①「エンドユーザーにメリットのあることが最良ではないか?」
②「お客様のビジネス・事業が発展することが最良ではないか?」
③「お客様の所属するコミュニティの持続的成長(永続的発展)が最良ではないか?」
④「究極的には、お客様自身が次世代貢献マインドを満足できるように支援することが最良ではないか?」

(3)「葛藤」が健全な成長・成熟につながる

 真の顧客志向の理想とビジネスの現実との「葛藤」を前向きに乗り越える行動が健全な成長につながります(自己中心的・幻想的でない現実的・社会的な自己への成長)。

A.顧客に喜ばれる範囲を対話を通して広げニーズの本質を見極める

 ただ単純に、顧客の潜在ニーズに応えるのが良いわけではありません。顧客に理解されない仕事は、空しい結果につながりがちです。顧客に喜ばれる範囲で、その喜ばれる範囲を対話を通して広げながら、ニーズの本質を見極める必要があります。

B.葛藤を前向きに乗り越えビジネスパーソンは成長・成熟

 お客様のニーズ充足を第一に考える真の顧客志向は、一部分利害対立するという葛藤を通して最適解を探すプロセスです。

 心理学的に言うと、他人と親しくなろうとすることは、自分自身のものの見方考え方・価値観を変えて成長しようとする葛藤です。

 その葛藤を前向きに乗り越えることでビジネスパーソンはさらに成長・成熟します。