シロバナタンポポは発芽率が悪く、それさえクリアできれば栽培は難しくないのかも知れません。しかし、いろいろ考えすぎたりするとかえって育たないこともあります(過湿対策して過乾燥になる等)。そんな、反省のなかからシロバナタンポポ栽培方法のノウハウを探ります。【ポイント】シロバナタンポポの栽培の難しさは、豊かな里山の自然を再現することの難しさではないでしょうか?①鉢の中に里山は再現できない、②自宅の庭は里山ではない、→肥料や堆肥、腐葉土で仮想する→肥料の上げ方が難しい。

1.シロバナタンポポの育て方:入門編

(1)シロバナタンポポの育て方

 シロバナタンポポの育て方は(本来野草なので)簡単そうで、難しいです。

その理由は次の通りです。

  • ①害虫に好んで食べられる
  • ②多年草なので初年度は弱々しい
  • ③多少肥料が必要だが塩梅が難しい(発芽は肥料の無い土が良いが、種に栄養が蓄えられていないので初期生育に肥料が必要)

 野草なので、株が大きくなれば普通に放任出来ると思いますが、若い苗のうちは多少かばってやる方が良いかなと思ってます(多少の肥料、防虫ネットなど)。

(2)シロバナタンポポは過湿に弱い

 シロバナタンポポは過湿に弱いと言われます。しかし、普通の植物も大抵は過湿に弱く、大差無いです。

 過湿対策は、①水はけの良い土(培養土+赤玉土2割など)②水はけの良いスリットポット、Yポット。③水はけの良い土とポットの相乗効果で過乾燥にならないようにする。以上鉢植え前提です。鉢植えは過湿になりがちですので、対策しました。(下はスリットポット15cmロングタイプの画像)

防虫用にネットを被せる

(3)害虫に狙われます

 シロバナタンポポ が段々育ってくると、害虫に狙われます。周囲に他の植物があるのに、特に噛られます。西洋タンポポは食べると苦いですが、シロバナタンポポはあまり苦くないそうです(もったいないので、シロバナタンポポはまだ食べたことはありません)。害虫に狙われるのは、そのせいでしょうか?キク科は害虫には強いのですが、シロバナタンポポは強くありません。

 冬でも害虫(青虫系の老齢幼虫)が這って来ます。シロバナタンポポは栄養豊富で美味しいのでしょう。青虫(夜盗虫)、団子虫、ナメクジ、カタツムリが強敵です。

(4)地上部の葉が枯れるが根は生存

 また、大きく育つとある日急に地上部の葉が枯れ出します。地上部が全て消失していまうこともあります。ただ、一・二ヶ月位すると、また新しい葉が生えてきます。

 枯れたと勘違いして、廃棄しないようにしましょう。

(5)防風対策

 シロバナタンポポが大きく育ってくると、葉が鉢からはみ出します。そこに、風が吹き付けると、葉が折れ曲がって傷みます。環境によっては、防風対策をした方が良いでしょう。具体的には、防虫ネットで囲うなどです。

 自然の状態では、冬の北風が吹き付ける季節には、シロバナタンポポは平べったくなり(ロゼッタ)、風に対する抵抗力を強めているようです。

(6)霜柱対策

 関東地方では、厳寒期には霜柱が立ちます。小さな苗の場合には、霜柱により、土から浮き上がってしまいます。
対策としては、土に腐葉土や藁などを敷く、防虫ネットで周囲を囲うなどです。

2.市販培養土に赤玉土を3割混ぜる:初級編ノウハウ

 シロバナタンポポは、普通の野草です。普通にしていれば、育ってくれるようです。

(1)育苗用に「Yポット」というポリポット鉢

 サカタのタネの「Yポット」という12cmポリポット鉢が安くて調子が良いです。半年くらい育苗し、別の場所に定植する前提ならこれが良いと思います。
(鉢で大きく育てる場合は、水はけの良い大きめの鉢の方が良いでしょう。シロバナタンポポの葉が大きく広がりますので。)

 下は「Yポット」の画像です。(画像出典:サカタのタネ)底面に穴が3つあるので、通気性、排水性に優れます。底に水が溜まるスペースがあるので、保水性も良いです。

 下は24cmローズ鉢。スリットを自分で加工したり、通気穴を空けたり工夫しました。

(2)市販培養土に赤玉土3割混ぜる

 市販培養土(365日持つ肥料入りだという中級品)に赤玉土3割加えると良い結果につながりました。肥料は培養土に入ってるので十分そうです(多すぎるくらいでしょう)。

 シロバナタンポポの種は、それほど栄養を蓄えられる形態ではありません。空を飛ぶために、小さくて細いです。ですから、発芽した後や若い株には肥料は多少必要だと思います(培養土に入ってる分くらい)。

 ただし、多肥は絶対ダメです、害虫が来ます。(例えば、西洋タンポポは害虫に強いですが、周囲の草木などに施肥した肥料分が伝わって吸収されると、害虫に食べられるようになってしまいます。)

(3)半年で花が咲きますが……

 市販培養土に、3割程度の赤玉土を入れる栽培方法の場合は、半年で花が咲きます。(私の場合は、蕾が出来すぎて摘蕾していました。)その一方で、肥料分を入れずに、腐葉土など土作り優先(肥料は入れない)環境だと、直ぐに花が咲くということはありません。

 市販培養土には、花も野菜も満足させる肥料が入っています。しかし、通常その配合は農薬使用を前提としています。また、里山の環境に比べれば、促成栽培に近いです。(ここらへんが、在来種タンポポは育てるのが簡単、いや難しいという議論がわかれる所以でしょうか?)

 市販培養土では、短期型化成肥料から中期型化成肥料に切り替わるタイミングで、葉っぱが紫になってしまうリスクもあります(枯れることはありません)。その一方で、自分の家でシロバナタンポポが花開く楽しさもあります。様々な楽しみを試行錯誤していかれたら良いと思います。そうやって、自然と向き合うのが楽しいのではないでしょうか?

3.自然栽培でシロバナタンポポを育てる:上級編ノウハウ

 シロバナタンポポは野草なので、本来は自然栽培を志向してます。

 今年はミニトマトの育苗で腐葉土を4割入れたら過湿で育苗失敗。その反動で、シロバナタンポポには腐葉土15%でブレンド。これは少なすぎたようです。腐葉土は3割程度が良いでしょう。

 里山の豊かな自然を鉢の中に再現するのは難しいです。里山の豊かな自然は、植物の残滓が積み重なって自然の腐葉土になっています。したがって、その再現が難しい以上、多少の肥料が必要です。下の写真は、肥料分の全くない「種まきの土」に発芽したばかりの種子を植えたケースです。これ以上育ちませんでした。(この時は、「過湿で枯れたのかな?」と思っていました。)

肥料分の無い土では育たないシロバナタンポポ

 シロバナタンポポは直根ですので、割と近い位置に肥料を置かないと吸収されません。(横に広がる根の植物は、葉っぱが広がっている範囲の直ぐ外くらいに肥料を置きます。しかし、シロバナタンポポは違います。)

(1)自然栽培のオリジナルブレンド土

 失敗を糧にして、推奨されるブレンド土。根腐れ対策重視:ゼオライト+真珠岩パーライトで通気性高めます。肥料も多少必要です。

  • 赤玉土(小)3
  • 赤玉土(中)1
  • 鹿沼土1.5
  • パーライト1
  • ゼオライト0.5
  • バーク堆肥(もしくは腐葉土)3
  • 有機肥料少々(発酵油粕など)

(2)失敗したブレンド土の配合

シロバナタンポポ用の土を独自ブレンドして準備。

  • 赤玉土(小)3
  • 赤玉土(中)2
  • 鹿沼土1.5
  • パーライト1.5
  • ゼオライト0.5
  • バーク堆肥1.5

(3)肥料を与えていないシロバナタンポポ

 シロバナタンポポは野草なので、最初に育てた年は自然栽培を志向していました。それゆえ、このミニ花壇には肥料を与えていません。土作り目的のバーク堆肥程度。そのせいか、今年の晩秋から初冬には、防除しないでも害虫に食べられず生き残っています(5月頃には地上部を害虫に噛られ?消失していたものが再生していた)。去年発芽した苗です。
同時期に、鉢に植えたシロバナタンポポは肥料を多少あげたせいか、害虫に噛られてしまいました(液体肥料を月に2回程度、思い出したときにあげていました)。それでも、このミニ花壇は無施肥ですので、無事でした。

 

 上の写真、周囲の茶色いのは雑草ではなく、「エンバク」を緑肥的に植えたものです。つまり、今は麦わら状態です。益虫が休む場所になります。

 緑の葉は、ニラかニンニクか?防虫用の コンパニオンプランツ。ニンニクは防虫用なら100円ショップのニンニクを植えます。

4.ミニトマトの発芽実験:参考にならなかったけれど良い経験

 ミニトマトの発芽実験。用土で初期生育が相当違います。ステラミニトマト(固定種)を室内で種から育苗。ミニトマトは特殊で、過湿に弱く、肥料に敏感です(徒長しがちです)。自然栽培を志向したので、腐葉土を入れ、肥料は入れていません。

④が一番育っています:種まきの土8、腐葉土2。この④は大きな苗になり、実も実りました

①赤玉土小4中2、腐葉土4。②種まきの土6、腐葉土4。③腐葉土10。(こちらは全て苗になりませんでした。小さい本葉がでた程度で生育が止まりました。)