成果主義の欠点デメリットを改善する『超・成果主義』
「超・成果主義」とは、うまくいっていない成果主義や能力主義を改革、改善して「会社を良くする」人事です。経営者の皆様は常に「会社を良くしたい」とお考えです。しかし人事管理になるとついテクニカルな面に注意が向いて部分最適化になりがちです。
会社の発展(中長期的業績の向上)にとって、大切なのは①人材育成②チームワーク(組織能力の向上)③イノベーション(顧客の創造)です。しかし、普通の「成果主義」は会社の発展にとって大切な①人材育成②チームワーク(組織能力の向上)③イノベーション(顧客の創造)を大幅に損なうのです。 中長期的業績を高め会社を発展させる人事こそが、「会社を良くする人事」ですから、矛盾しています。
「今流行している成果主義は明らかにおかしい……」そう思って研究すればするほど、普通の「成果主義」の不合理さが際立ってきました。「これでは、日本の産業界は衰退してしまうではないか?」と危機感を抱き、2005年に日本経済新聞社から出版したのが「超・成果主義」という本です。
このホームページは、会社を良くする(中長期的業績の向上)ために、より良い人事「超・成果主義」を紹介し、皆様の会社の①人材育成②組織能力の向上③イノベーションがもっと上手くいくように、会社がもっと良くなるようにご支援いたします。過去の出版内容以上に、最新の情報・知恵をご紹介するよう努力いたします。
最新刊発売中!『ちょっとズレてる部下ほど戦力になる!』日本経済新聞出版社刊。若手社員の後輩・部下がいる方へ、忙しい貴方の為に①手軽に実践できるノウハウを集め②読みやすく工夫した③若手育成・職場活性化の本です。目次だけでも読んでみてください。→目次詳細(日本経済新聞出版社のサイトへリンクします)
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目次
1. 成果主義崩壊の真実:成果主義の「本質的な問題」とは?
(1)成果主義は会社の発展につながらない
「成果主義は何かがおかしい」と日本企業に働く誰もが感じています。しかし同時に「利益を追求する企業の人事システムならば、成果を重視するのが当然だ」とも考えています。こうして誰もが「成果主義の謎」という迷路に迷い込んでしまったかのように見えますが、実は、成果主義の本当の悪い点、すなわち「本質的な問題」に気づいていません。 「本質的な問題」とは何でしょうか。それは、成果主義を導入しても「会社の発展につながらない」ことです。短期的な目標達成度がどれほど向上したように見えても、中長期的発展や戦略の実現につながらないのであれば、その人事システムは不適切です。「成果のあがらない成果主義」という皮肉な状況、これこそが成果主義崩壊の真実なのです。
(2)従来の成果主義は成果『査定』主義だからNG
では、なぜ成果主義は会社の発展につながらないのでしょうか? それは、従来の成果主義が成果『査定』主義だからです。つまり、結果が出てしまってからよかった・悪かったと査定して優劣を付け、処遇に差を付けて社員のやる気を煽るだけの人事システムにすぎません。成果を高めるには、結果が出てしまってから対処するのでは遅すぎます。優れたマネジメントとは、よい結果が出るように創意工夫を凝らしてシステムを設計し、そのシステムを適切に運用することなのです。 従来の成果『査定』主義はよい結果をつくり出すマネジメント・システムではありません。
(3)成果『査定』主義はチームワークを崩壊させ組織力を低下させる
それどころか、成果『査定』主義は同僚を協働する仲間から単なる競争相手におとしめ、日本企業の強みである「社員同士が協力し合うチームワーク」を崩壊させ、組織力を低下させるのです。
2. 超・成果主義:人事管理の枠組みを超え成果『査定』から成果「創造」へ飛躍
(1)成果を「創造」する人事システムへ
従来の成果『査定』主義の何が悪いのかが明確に見えてくれば、問題解決の道は開けます。成果『査定』主義という皮相的なコンセプトを捨て、成果を「創造」し会社を発展させる人事システムをつくればよいのです。 高業績達成につながる成果を「創造」し、戦略を実現して会社を中長期的に発展させるためには、個力を引き出し強い組織をつくる必要があります。一人ひとりの社員を管理し個力を引き出すだけでなく、チームパワーを高め強い組織をつくる必要があるのです。
(2)コンセプトを刷新する「人事革新」が必要
そのためのシステムは、従来の人事管理の枠組みを超えなければつくれません。つまり、従来の人事管理の概念や枠組み、成果『査定』主義のコンセプトを刷新する「人事革新」が必要なのです。その人事革新の提案こそが、本書の「超・成果主義」というテーマです。 「超・成果主義」に基づく具体的な人事システムを「成果創造主義人事」と名づけました。
(3)『知的チームプレー』を戦略実現に向け集中する
成果創造主義人事とは「高業績を『創造』するために、日本人の強みである『知的チームプレー』を戦略実現に向け集中するマネジメント・システム」です。社員や経営者が、お互いに知的チームプレーを発揮して協働・支援し合えば、その相乗効果で「孤立した個人の成果の総和」以上のよい成果が出せるはずだという考え方を基盤にしています。
3. 日本企業の強み:個力を引き出し 強い組織を作る
(1)知的チームプレーの「強みを活かす」
資源の乏しい極東の島国日本で働く我々が繁栄を続けてこられたのは、我々自身が他の国の人々と異なり「以和為貴」「和して同ぜず」という精神の下、チームワークを発揮してきたからです。自律した個人の知的チームプレーを、戦略実現に向けて集中する時、日本企業は最大のパフォーマンスを発揮します。 日本の人的資源の「強みを活かす」ことが競争戦略のカギです。グローバルスタンダードという言葉を、外国のシステムを真似することだと誤解してはいけません。我々にとって大切なことはグローバル競争に勝つことであり、欧米と異なる文化を持つ日本の強みを捨ててまで、個人主義の国で生まれた成果『査定』主義を採用する必要はないのです。日本の強みを活かす日本独自の人事システムを駆使して、グローバル競争の舞台にあがり、正々堂々と勝負すればよいのです。
(2)大切な人的資源を成果『査定』主義がスポイルすることは絶対にあってはならない
最大の強みである人的資源の優位性がなくなれば、日本の存立基盤は危うくなります。その大切な人的資源の尊い可能性を、成果『査定』主義がスポイルし、我が国の発展を妨げることは絶対にあってはならないことです。 だからこそ今、「人事革新」が必要なのです。
(3)日本型経営の英知を復興
本書の志は、テクニック論の紹介にあるのではなく、安易な道に迷い込んでしまった人事戦略の考え方を大きく切り替えて、我々が末長く繁栄できる基盤を築くことにあります。 本書で展開する成果創造主義人事は、最新のマネジメント技法・IT技術を用いて、優れた日本型経営の英知を二十一世紀に復興したものです。その意味で、本書は著者からの「人事革新」の提案であると同時に、日本の発展を支えてきた先達の知恵を二十一世紀に蘇らせる「人事ルネッサンス」と言うことができると思います。
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4. 人事革新は制度の改革だけでは成し遂げられない
本書は、成果『査定』主義を超える人事革新「超・成果主義」を、企業の皆様に向けて提案したものです。人事革新というものは制度の改革だけでは成し遂げられるものではありません。したがって、人事施策に携わる皆様はもちろん、組織の要である管理職や、成果主義に疑問を抱いている意識の高いビジネスパーソンの方々にも、ぜひ読んでいただきたいと願っています。そのために、概念論だけでなく、具体的な事例や図表を増やすなど、読みやすくわかりやすい本にすべく努力いたしました。 本書が、皆様が日々感じていらっしゃる成果主義への疑問を晴らし、一人ひとりの立場で今何をなすべきかを見つけ出すヒントになれば幸いです。
5.リーダー・管理者に役立つ参考書籍
『ちょっとズレてる部下ほど戦力になる!』日本経済新聞出版社刊、加藤昌男著。最新刊!(このホームページ上にも紹介記事ページがございます)
若手社員を戦力化し、職場を活性化する最新のノウハウを解りやすく説明しています。若手社員を戦力化しやる気にさせる方法、内発的動機付け、仕事の楽しさを味わう方法、組織活性化の方法、コミュニケーションを取る方法などこのページでは紹介しきれない沢山のケースや実践例で説明しています。さらに、具体的方法、具体的プログラムなどお役にたつツール(ソリューション)をまとめました。きっと皆様のお役にたつことと思います。わかりやすく平易な文章で丁寧に書いていますので、「とても読みやすい」「読んでいて面白い」と喜ばれています。
若手社員は本当は戦力になります!若手が何を考えているか解らないと悩むリーダー・管理者の皆様の為に書きおろしました。
『労政時報』の労務行政研究所様が、拙著のレビューを書いてくださりました(人事・労務の専門情報誌『労政時報』の労務行政研究所が運営するjin-jour(ジンジュール)様からのレビューです)。誠に有り難うございます。