皆様の会社を成長・発展させる人事戦略をテーマとしています。そのために最新の関連諸科学の成果を取り入れ、理論と実践の相互作用で改良を繰り返した「超・成果主義」です、しかし、どんなものにも強みと弱みがあります。 結局、特徴的なものごとには強み・弱みがあります。ただ、その弱みが誰にとってデメリットになるのか?そこが重要な点です。そのポイントをご紹介します。

 一言で言えば、「超・成果主義」の弱みは、最新情報・最良の方法をアドバイスする際に、聞き手の皆様の過去の常識を否定することから生まれる違和感です。
 現在、『ファスト&スロー』~あなたの意思はどのように決まるか?~2014年、ダニエル・カーネマン (著), 村井章子 (翻訳)、早川書房を読み、「行動経済学」を研究中です。「我々の直感は間違ってばかり?
 直感というのは、残念ながら「過去の情報の記憶」です。今日のように社会が複雑化し、変化の規模とスピードが大きく速くなった時代では、その過去の情報にたよる意思決定は、良い結果を生みません。

Contents

1.「超・成果主義」の強み

 「超・成果主義」の強みは、次の通りです。強みの内容については本ホームページの様々な個所でご紹介済みです。(以下の小タイトルにリンクを貼っていますのでご参照ください。)

(1)業績向上と人材育成を両立する人事

(2)会社を成長・発展させる人事(経営視点の人事戦略、会社を良くする人事)

 簡単に会社を良くする視点、経営の視点に切り替えるには(試みに発想の転換をしてみる)、「簡単に人事改革する方法 」のページをご参照ください。

(3)全体最適化を目指す人事

(4)本質的な問題解決を目指す人事

 簡単に問題解決を試してみるには、「簡単にできて効果的な「超・成果主義」活用法 」のページをご参照ください。

(5)関連諸科学の成果を応用できる人事

(6)「こうすればもっと良くなる」という提案

 「このホームページを貴方の為に役立てる方法(はじめに)」のページの、●ホームページをこのようにお役に立てくださいの章をご参照ください。
 また、最新の情報・知恵から導かれた「こうすればもっと良くなる」提案は「最新「超・成果主義」Mark II 」のページをご参照ください。

2.「超・成果主義」の弱点

 「超・成果主義」の弱みは、3つあります。そのポイントは次の通りです。

(1)人事マネジメントの目的を「会社を成長・発展させる」に誰が決めたのか?

A.「超・成果主義」の目的は会社を成長・発展させること

 一番大きな弱点は、「超・成果主義」が「会社を成長・発展させる人事戦略」というコンセプトでスタートしている点です。(会社を成長・発展させる人事とは、中長期的業績を向上させる人事です。簡潔にいえば「会社を良くする人事」です。)

 会社を中長期的に発展させよう、と考えると、自然に全体最適化(様々な事柄を総合的に最適化する視点に立つ)ができるようになるので、この点は重要です。

B.目的を第三者が決めるのか?

 きっと、次のような感想を持つ方が多数いらっしゃるでしょう。

『人事マネジメントの目的を「会社を成長・発展させる」に誰が決めたのか?
『「人事管理・人事制度の目的を「会社を成長・発展させる」(中長期的業績を向上する)ことに絞る。」などと言っているけれど、人事マネジメントの目的はクライアントが決めるべきではないか?』

C.経営の視点から人事マネジメントを見る提案

 これは、言葉を変えれば、経営の視点から人事マネジメントを見ましょうという提案です。視点を変えましょうという提案を、生意気な提案と思われる方がいても不思議ではありません。

(2)経営の視点は難しい?管理の視点との相違が困難を生む

 物事は見る視点、解釈する理論の違いによって、大きく異なります。

A.経営の視点と管理の視点

Image211 経営者層(トップマネジメント)は、物事を全体的・長期的・大局的・戦略的に見据え、革新的・統合的な発展の方向を目指します。

 その一方で、管理者層(ミドルマネジメント)は、物事を部分的(担当する組織限定)・短期的に見がちです。そして物事を改善的に発展させようとします。

B.戦略ミドル:戦略的管理者へ

 管理者層(ミドルマネジメント)は、さらに上からの「全体的・長期的・大局的・戦略的・革新的・統合的」な要請と、下からの「局地的・短期的・現実重視・効率重視・実行重視」の提案、外部の「顧客・競争相手・環境の変化」を最も的確に把握できるポジションに位置しています。それゆえ、物事を「複眼的」に見る役割を担います。

 自分自身の役割である「担当組織の目標達成」という視点だけではなく、「組織横断的目標・全社的目標の達成」「経営課題の解決」という経営の視点、そして日々第一線で働く社員の視点を持たなければなりません。

 さらに、外部指向の視点、すなわちお客様第一・お客様のニーズをどう満たすかの視点、如何に社外の競争相手と戦うかの視点、経営環境の変化の中に成長の機会を如何に見つけリスクを如何に最少限にするかという視点なども不可欠なのです。

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C.自分と違う意見を尊重できるか?多様性尊重への挑戦

 物事は見る視点、解釈する理論の違いによって、大きく異なります。管理職にはこの視点を複数持っていただく必要があります。

 しかし、これが難しいのです・・・人という生き物は、常に物事を「自分なりの経験に基づいて、自分なりの視点で」解釈しようと試みます。皆が皆「俺流」です。例え、その解釈の試みが失敗しても、意に介しません。

(3)「こうすればもっと良くなる」という提案が「期待した答えと違う」という不満へつながるリスク

 もう一つ弱点があります。それは勉強熱心な皆様ほど「期待した答えと違う」と心がザラつく点です。

A.「何か変なことを言っているな」と思われるリスク

 心がザラつく理由は、会社を良くしようと考えて、経営の視点から親身にアドバイスしようとすると、皆様が苦労して学んだノウハウ本や事例集と違うアドバイスになりがちだからです。

 または、心理学などの成果から、より良いものを提案すると、これまたノウハウ本や事例集と違うアドバイスになり、聞く方々は「何か変なことを言っているな」と心がザラついてしまうのです。

B.自ら答えを用意している方も多い

 勉強熱心な皆様は、自ら苦労してノウハウ本や事例集から学んでいることが大半です。「人事制度に悩みがある」けれども、「その理由は評価制度の運用能力が足りないからではないか?(ゆえに、考課者訓練をやるべきでは?)」などと、自ら答えを用意しているのです。

 しかし、事例集は過去の情報に過ぎません。また、事例集はある企業には適しても、皆様自身のために役立たない可能性もあります。例えば、最新トレンドのアメリカ流成果主義が、貴方の会社に合わないことも有り得るのです。

3.「超・成果主義」の弱点はクライアントにとってはメリット

 大抵の場合、強みの裏返しが弱点です。「超・成果主義」の特徴的な点が、誰にとってマイナスなのでしょうか?

(1)スマートフォンが導入された時と似ている

 結局、「超・成果主義」の弱点は、スマートフォンが導入された時と似ています。日本にスマートフォンが現れたとき、誰もが「こんなものは携帯電話ではない」と不快感を感じたものです。バッテリーの持ちが携帯電話と比較して悪いとか、充電するときに熱くなるとか、沢山の方が不快に感じました。しかし、実際に使ってみると、スマートフォンは従来の携帯電話よりもずっと便利で楽しいものでした。

 つまり、「超・成果主義」の弱点は、スマートフォンが導入された時のように、ユーザーにとって優れた機能を持っているけれど、それを使ってもらうための障害が大きいという点です。導入初期のスマートフォンは、パソコンが無いと使えないため、誰でもすぐに使えるわけではなかったのです。

(2)「こうすればもっと良くなる」という提案と心理的葛藤

 セールステクニックの次元であれば、お客さまの表面的なニーズに対応するのが一番です。何が一番かというと、売り手が得をするという意味です。お客さまの予想を超えて、こうすればもっと良くなる」という提案をすることは、売り手側にとって大きなリスクなのです。

 こうした心理的葛藤・コンフリクトは、情報の非対称性から顧客の気付かない事に気付くことで発生します。専門的サービスの場合にはよくあることです。

 しかし、お客さまにとっては「自分の気付かないところを、専門家の視点でアドバイスしてくれる」というのはメリット以外のなにものでもありません。実際のところ、「加藤は(リスクを負って)『こうしたらもっと良くなる』というアドバイスをしてくれるので嬉しく思っている。」というお客さまが多いのです。

(3)顧客ニーズの階層と顧客の階層

 顧客ニーズには階層があります。表面的なニーズに応えていれば楽ですが、中期的に見るとお互いに停滞してしまいます。
 例えば、働く日本人のマインドが(悪しき)成果主義によりスポイルされ、失われた20年が続いているのはこの停滞に相当します。


■顧客ニーズの階層             ■顧客の階層と次世代貢献マインド
顧客ニーズの階層、顧客の階層と次世代貢献マインド

4.まとめ

 結局、特徴的なものごとには強み・弱みがあります。ただ、その弱みが誰にとってデメリットになるのか?そこが重要な点です。

 「超・成果主義」の弱点は、「こうすればもっと良くなる」という提案が巻き起こす心理的な葛藤、違和感です。言葉を変えれば、クライアントの皆様にとってメリットのある提案をすることが、コンサルタントにとっては、「期待した答えと違う」とクライアントの心がザラつく弱点となるパラドックスがありうるのです。

 では、「こうすればもっと良くなる」という提案をやめればよいのでしょうか?
 しかし、会社全体が良くなる事が、社長にとっても社員にとっても、また社会にとっても一番良いことです。
 結局、「こうすればもっと良くなる」という提案は、異なる意見を沢山持っている人々が集う会社、その会社全体が良くなるためのキーポイントなのです。

(1)我々の直感は間違ってばかり?ノーベル賞論文から

  現在、『ファスト&スロー』~あなたの意思はどのように決まるか?~2014年、ダニエル・カーネマン (著), 村井章子 (翻訳)、早川書房を読み、「行動経済学」を研究中です。「我々の直感は間違ってばかり?」

(2)最新情報は不愉快な情報になる?

 「成果主義はダメだ」という主張を聞いたときに、ご不快に感じませんでしたでしょうか?
 いつも読んでいる事例集や新聞に書かれていない事をこのホームページで読んだときに、『直感的に不快に感じ』ませんでしたでしょうか?
 それは、最新情報は、今まで信じてきた常識と違うイノベーションだからです。そこに我々のイノベーションに対する限界があるのかもしれません。

(3)直感と理論は相反する場合もある

 我々は日々生きていく上で、直感に頼っています。なぜなら、様々な意思決定をする際に、いちいちその背景にある理論にまで遡り、理屈が合っているかどうか検討している時間が足りないからです。
 直感というのは、残念ながら「過去の情報の記憶」です。今日のように社会が複雑化し、変化の規模とスピードが大きく速くなった時代では、その過去の情報にたよる意思決定は、良い結果を生みません。
 貴社の人事戦略(人的資源管理)を考える場合には、直感に頼りすぎることなく、新しい理論や理屈をもご考慮くださると、貴社の発展につながると思います。
 どうか、このホームページの貴重な情報を、皆様のお幸せの為にお役立てください。