人の成長」を描いた素晴らしい傑作!誰もが持つ自分の弱みをどう克服するか?人の成長・成熟とは?
 世界中が「ジョブズのような人材が自分達の国、会社では何故育たないのか?なぜイノベーションが起こせないのか?」と悩んでいます。誰もが自分の会社にジョブズのような人材が欲しいはずです。誰もがイノベーション・創造性を促進する方法が知りたいはずです。
 それなら必見です。この映画『スティーブ・ジョブズ』ダニー・ボイル監督版にジョブズの成長・成熟(Appleの大成功)のヒントがあります(人材育成の方法、生涯発達理論などの視点から興味深いです)。

 文字では解らないことも、映画(アート)を見る体験から、きっとポジティブなヒントを得られるでしょう。劇場へ急ぎましょう!

1. ファースト・インプレッション

 映画「スティーブ・ジョブズ」見てきました。素晴らしい、傑作!

「よくぞ人間ジョブズの苦悩、葛藤、そして成長・成熟を描いてくれた」私は終演後拍手しようと思いました!
 そんな映画は見たことが無い!絶対見てください。場所によってはそろそろ終演になるかもしれないので急いでください。上映館はこちらのページをごらんください。3月以降も映画館を変えて公開される様子です。見逃した方は必見です。

2. Appleの歴史を知らないと辛いかも?

 ただし、Macファンが「コンピュータだけでなくMacを作った背景や人物、思想を楽しみながら学ぶ」ように、Appleの歴史を知らないと辛いでしょう。いきなり、LISAというコンピュータがあると言われても、普通の方は「何のこと?」でしょう。(LISAとは、Macより優れた革新的なオフィス向けパーソナルコンピュータだったが超高価で売れませんでした。ジョブズの娘の名を付けた、認知問題でもめてるリサの名前をあえて付けたのが味噌です。)

macandnextiphone31写真の出典:Apple Inc.、Next Software, Inc.
 NeXT Computerの凄さ、そしてそのプレゼン場面の意味、黒い正立方体のNeXT CUBEの美しさも、普通の方は映画を見る経験の中では難しいかもしれません。NeXT CUBEの実物は神性が宿るような神々しさがあります。ちょうど、自分の家に神社があるような「気」を持っています。
世界で一番美しいNeXTcube
写真の出典:Apple Inc.、Next Software, Inc.

Steve Jobs super presentation to NextOS part1(May be opend at Tokyo Bay HK Hall in JAPAN)1989/7/10 幕張 東京ベイHKホールで撮影。日本語字幕付き貴重映像
動画の出典:hase600,Apple Inc.,Next Software, Inc.
http://www.fox.co.jp/~hideo/documents/NeXT_Presentation.pdf
Pdf出典:Hideo Yamaguchi。Hideo’s HomeNeXT Computer

 コンピュータの凄さ、美しさがジョブズのおかれた立場やプレゼンの重要性に強く関連します。その意味で見る人を選びます。この映画の賛否が極端にわかれている理由は、ここにあると思います。

  全編怒鳴りあってるというネガティブな評価もありましたけど、それは見る人の極端な感想に過ぎません。正直、「Appleの歴史を知らないと辛い」というケースでしょう。知らないことが多いと、本作のテーマに集中できません。
 なぜそんなに大声で話すのか、怒鳴るのか?世界を変える画期的新製品の発表プレゼンの直前だからです。その重要性がわからないと、たんなる「怒鳴りあい」にしか見えません。(もちろん、意図的な演出でもあるのでしょう。)
 私も、そうしたネガティブな評判から見に行くのをためらっていました。怖いですね、他人のネガティブな意見は……(貴方と他人は違うのです、ですから違う評価になっても当然です。インターネットの口コミは良貨が悪貨を駆逐するように使いたいですね。損をしたくないと口コミに頼ってしまうのは便利すぎるインターネット時代の弱点です。今後注意して行動しなければと自戒しています。特に賛否が別れる場合、よく考えたいものです。反省。)

 確かに、会話劇というのでしょうか演劇を映画で撮った感じはあります(一般的に、もっとスケールの大きい映像が見たいなどと思うかも?)。でも素晴らしいです。本作品に関して、いろいろ語りたいことはありますが、ネタばれになるので控えます。

3. 泣ける映画、人情もの

(1)ジョブズを変人と考えてはならない

 ジョブズの人としての苦しみや葛藤、そして成長・成熟が描かれています。ネタばれになるので多くは語りません。ただ、ジョブズ本人が生後すぐに養子に出された経験があります。それと対になる関係性で、Apple創業前後に同棲していた女性との間に生まれたリサという娘さんがいます。(ジョブズはリサを実子と認知をしない、しかし最新型コンピュータにはLISAと命名するなど矛盾した感情を抱いている。)
 DNA鑑定の結果が親子であると示しているにもかかわらず、リサを認知しようとしないジョブス、それだけしか知らないと「まるでジョブズは人間のクズではないか(失礼)」と誤解してしまいます。
 父母に養子に出されたジョブズと、父に認知拒否されるリサは、「自己の存在に疑問を抱かざるをえない運命の下に生まれた」同じ存在なのでしょう。つまり、ジョブズはリサであり、ジョブズはリサに向き合うことで、ジョブズ自身の悲しい運命を乗り越えたのです。泣けました。

(2)伝記を原案としたノンフィクションに見えるフィクション?

 原案が伝記の『スティーブ・ジョブズ』ウォルター・アイザックソン著、です(原作ではなくて実話を元にしたフィクション的な関係です)。ノンフィクション・ドラマでしょうか?
 古くからのMacファンでありMacやジョブズに関する様々な書籍・雑誌を読んでいる私でも「えっこんなことあったの?そこまで罵倒するの?」という個所があります。
 その多くはこの映画を盛り上げる演出のためのフィクションではないでしょうか?例えば、ウォズニアックがNeXT CUBEを極めて正確なスペックを述べて罵倒する場面とか……

 ノンフィクションとしては事実ではないけれど、二時間の映画(芸術作品)の中では真実である、というような印象です。「この映画には真実が描かれている(ノンフィクションに違いない)」と思える映画です。
 脚本は浅田次郎風?人情ものという意味です。浅田次郎得意の自出による葛藤がメインです。もうひとつの特徴の幽霊は出ませんが、それに相当するのがジョン・スカリー(ペプシコーラCEO、AppleCEO)です。あらゆるところに出現しジョブズと対峙します。制作は日本ATG風?芸術映画という意味です(ちんぷんかんぷん、と言われるリスクがある)。

監督は『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル、脚本は『ソーシャル・ネットワーク』のアーロン・ソーキン。
http://stevejobsmovie.jp/
「口先一つで、世界を変えた男」この映画の広告コピーはやや方向性がズレています。口から出る言葉に真実が含まれているからこそ周囲が賛同しハードワークや創造性・イノベーションにつながるのです。そこがジョブズの良さです。
(そうでなければ他人の感情を逆なでするようなジョブズは何もなしとげられません。)
 言葉というのは不思議なもので、「貴方がしたいことは、本当はこんな素晴らしい事なのではないですか?(その素晴らしいことを共有しましょう)」と語れば、沢山の優れた人々を魅了します。

 その一方で、「貴方がしたいことは、これでしょ?簡単に出来る方法がありますよ。(副作用もあるし、高価ですが、買ってください)」というのも、大変効き目が高い言葉です。こうした文脈では、「口先一つで、世界を変えた男」という広告コピーがぴったりかもしれません。
 例えば、砂糖水を売ってるスカリーなんてのは、こうした人種じゃないでしょうか?結局、スカリーはAppleに来ても、「ペプシとコカコーラと、どっちが美味しいか?」以上の事は出来なかったのです。それを、もっともらしいマネジメント知識と権力で、まさに「口先一つで」働いていたのです。もちろん、世界は変えていません。

 また、Apple Iの開発時に、ジョブズは何もしなかったのでしょうか?ウォズニアックの天才性に気付き、友となり、励まし、自分のバンを売って資金を作り、自宅ガレージを作業場として提供し、セールスに出向いたのです。まさにプロデューサーの仕事をしているではないでしょうか?

上映館リストは次のホームページにあります。
http://www.eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=438

4. 結論

 したがって、結論としては次のようになります。

 皆さん、ダニー・ボイル監督版の映画『スティーブ・ジョブズ』を見ないと損をしますよ!劇場へ急ぎましょう!
映画「スティーブ・ジョブズ」1

5. 概要

『スティーブ・ジョブズ』
原題:Steve Jobs
監督:ダニー・ボイル(『スラムドッグ$ミリオネア』、『28日後…』、『トレインスポッティング』)
脚本:アーロン・ソーキン(『ソーシャル・ネットワーク』、『マネーボール』)
原案:ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズ』
製作:
 マーク・ゴードン
 ガイモン・キャサディ
 スコット・ルーディン
 ダニー・ボイル
 クリスチャン・コルソン
出演者:
 マイケル・ファスベンダー
 ケイト・ウィンスレット
 セス・ローゲン
 ジェフ・ダニエルズ