発想を転換して人事制度改革-改善する方法!優れた会社になる
簡単に人事制度改革・改善をする方法があります。それは「トヨタのような良い会社になりたい」と思うことです。
次に「トヨタの良いところを真似しよう」と考えましょう。そのトヨタの良いところとは「カイゼン」マネジメントです。
つまり古いマネジメントからトヨタの「カイゼン」マネジメントへ考え方を変える発想の転換です。そうすれば人事改革は一瞬で済みます。
(今まで築き上げてきた信念・マネジメントに対する考え方を変えるというのは難しいものです。理屈ではなく耐え難いものです。しかし、こうやって「トヨタやアップルのような凄い会社になりたい!」とポジティブな感情に訴えることで一歩踏み出すことが出来るようになります。トヨタやアップルが気に入らない場合は、貴方の好きな極めて優れた会社を思い浮かべてもよいでしょう。)
この「トヨタのような良い会社になりたい」と思うことには、2つの重要な意味があります。一つ目はすでに述べた①「カイゼン」マネジメントへの変革です。二つ目は、②「経営視点への変革」です。以下にその2つを紹介します。
「アフターコロナの高付加価値創造型人事マネジメント最新情報」アッププルのジョブズやウォズニアックはエリート教育の結果生まれたのでしょうか?否。マックはジョブズが天才だったから創造できたのでしょうか?否。iPhoneは市場調査によって開発されたのでしょうか?否。アップルの高業績は優れた経営管理技術によるものでしょうか???
1. 「カイゼン」マネジメントへの変革
「カイゼン」マネジメントとは、「プロセスの絶えざる改善」すなわち高業績に繋がる行動プロセスをデザインし改善し続けることで優れた成果を得ようとする考え方です。「プロセス・マネジメント」などと呼ばれることもあります。
ちなみに、これは「カイゼン」活動を導入しましょう、という提案ではありません。「カイゼン」活動の背景にある「良い結果をプロセスから作り込む」という考え方に切り替えましょうという提案です。
これは、経営学的に言うと「方法論を変えよう」というパラダイム・シフトの提案です。これを簡単に言うと、冒頭のような「トヨタのような良い会社になりたい」と思うことという表現になるのです。
(パラダイムparadigmとは、ある時代や分野において教科書のように広く受け入れられる「物の見方や考え方の体系、枠組」のことです。このような教科書的考え方は、時代の変遷につれて非連続的な変化を起こす事があり、この変化をパラダイム・シフトと呼びます。例えば、天動説から地動説への変化などです。)
■査定ツール(古いコントロール型管理)とマネジメントツールの差
査定ツール |
マネジメントツール |
企業内のルールとして安定的で包括的な基準が求められる(一般化しすぎ、陳腐化しやすい、外に打って出るツールに使えない) |
成果を上げるためのツールであるため、最新のマネジメント理論やツールをダイナミックに導入できる |
査定する上司に媚びる(好き嫌い恣意的評価されかねない)、査定基準重視のビジネス行動(現実のビジネスとは乖離)という「内向き」の意識が高まる |
顧客に満足していただく、ライバル会社に勝つためにという「外向き」の意識が高まる(社外にある基準を満たすためには、付加価値を高め、イノベーションを起こすことが求められるなど、ごまかしが効かない) |
2. 良い会社になりたいという思い(経営視点への変革)
「良い会社になりたい」と強く思うことで、経営の視点に自然になれるのです。経営の視点とは、会社の様々な側面を統合する「全体最適化」の視点です。
全体最適化の視点に立つと、物事のプラスとマイナスの両方が見えてきます。「社員を成果で評価し、差をつければ業績がグッと上る」だけでは済まなくなります。たとえば、次のような点からも検討するようになります。
- 「中堅社員が中抜けしているあの職場で人材育成が進められるだろうか?」
- 「その目標で、本当に会社の発展につながるのかな?」
- 「目標達成にこだわるあまり、お客さまにごり押しの営業をしてしまわないだろうか?」
- 「評価されないのだけれども、”会社の発展に大切なこと”は後回しになってしまうのだろうか?」
- 「今は大丈夫かもしれないが、イノベーションの活力が無くなって、失われた20年が30年に延びてしまわないだろうか?」
人事管理だけを最適化しようとする(部分最適化)のとは全く違った視点です。人事管理だけを最適化しようとすると、ついテクニック論に偏りがちです。「優れた会社はどんな評価制度を使っているのだろうか?我が社でも取り入れたい。」などと考えがちです。インターネットで検索をすれば、そうした情報は無数に出てきます。あとは、ボタンを押すだけで最良の評価制度が発注できて、万事解決でしょうか?NO!と言わざるを得ません。
クリックすると見やすく拡大します。2度のクリックで一番見やすくなると思います。
3. プリウスはカイゼンだけでは開発できなかった
確かに高品質な車を低価格で作るだけなら、カイゼンで十分だったかもしれません。しかし、ここまで読まれた貴方は「プリウスやミライはカイゼンだけでは開発できなかった」とお感じになるでしょう。
確かにそうです。その点は「超・成果主義」Mark IIの項にてとりあげます。
写真の出典:トヨタ自動車株式会社
4.リーダー・管理者に役立つ参考書籍
『ちょっとズレてる部下ほど戦力になる!』日本経済新聞出版社刊、加藤昌男著。最新刊!(このホームページ上にも紹介記事ページがございます)
若手社員を戦力化し、職場を活性化する最新のノウハウを解りやすく説明しています。若手社員を戦力化しやる気にさせる方法、内発的動機付け、仕事の楽しさを味わう方法、組織活性化の方法、コミュニケーションを取る方法などこのページでは紹介しきれない沢山のケースや実践例で説明しています。さらに、具体的方法、具体的プログラムなどお役にたつツール(ソリューション)をまとめました。きっと皆様のお役にたつことと思います。わかりやすく平易な文章で丁寧に書いていますので、「とても読みやすい」「読んでいて面白い」と喜ばれています。
若手社員は本当は戦力になります!若手が何を考えているか解らないと悩むリーダー・管理者の皆様の為に書きおろしました。
『労政時報』の労務行政研究所様が、拙著のレビューを書いてくださりました(人事・労務の専門情報誌『労政時報』の労務行政研究所が運営するjin-jour(ジンジュール)様からのレビューです)。誠に有り難うございます。