ドラッカーの知識労働者!経営の視点のモチベーション入門

 ドラッカーのモチベーション論は、今の日本企業にとって大変参考になります。ドラッカーの知識労働者のモチベーション論をご紹介するねらいは、皆様に経営の視点のモチベーション論(会社を成長・発展させるモチベーション論)をご案内することです。そのポイントは①社員を知識労働者としてマネジメントする、②仕事そのものから満足を得る「働きがい」を与えるです。

 結論からいえば、今の日本企業の社員は、そのほとんどが知識労働者、テクノロジスト(高度技能者)です。それゆえ、ドラッカーのモチベーション論は、今の日本企業にとって大変参考になります。
つまり、日本企業では知識労働者にふさわしいマネジメント、モチベーション論を採用すべきなのです。『超・成果主義』もその一つです。
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ドラッカーのモチベーション論「働きがい」で会社が成長発展」にて、ドラッカーのモチベーション論と『超・成果主義』のモチベーション戦略の近似性を紹介しています。

 今年の5月連休はP.F.ドラッカーの著作を何冊か読んで、「経営の視点」を上手に解説できるように努力してみました。その理由は、経営の視点を説明できれば、『超・成果主義』をより解りやすくご紹介することが出来るからです。なぜなら、『超・成果主義』もまた、経営の視点から発想された人事戦略だからです。
(経営の視点は日常的ではない概念領域ですので、馴染みがありません。)

 まずは、ドラッカーの知識労働者についてご紹介します。

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ドラッカーの言う本質的な「働きがい」に加えて、もう一つの大切な視点である「内発的動機づけ」(仕事の楽しさ)を実践する方法を具体的に詳述しました。
目次だけでも読んでみてください。
目次詳細(日本経済新聞出版社のサイトへリンクします)
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1.ドラッカーの知識労働者のモチベーション論

 P.F.ドラッカーの知識労働者のモチベーション論をご紹介するねらいは、皆様に経営の視点のモチベーション論会社を成長・発展させるモチベーション論)をご案内することです。

 ドラッカーの知識労働者のモチベーション論を考える場合、複数の著作からドラッカーの主張を抽出する方が解りやすく、今日の日本企業で応用しやすいです。
会社を成長発展させるモチベーション

 今年の5月連休はP.F.ドラッカーの著作を何冊か読んで、「経営の視点」を上手に解説できるように努力してみました。今回は、次の書籍を参考にさせていただきました。

【参考書籍】
『明日を支配するもの』1999年、P.F.ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社。
『チェンジ・リーダーの条件』2000年、P.F.ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社。
『プロフェッショナルの条件』2000年、P.F.ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社。

(1)日本企業を成長・発展させる為に役立つ

 ドラッカーは知識労働者のマネジメント・モチベーションについて語っています。しかし、今日の日本企業の社員は、ほとんどが知識労働者に該当します。その理由は、肉体労働をともなうテクノロジスト・高度技能者も知識労働者だからです。工場の肉体労働者であっても、改善活動・TQC等に参加するようなレベルの社員は、テクノロジスト(高度技能者)です。

 つまり、入社数年を経た社員は、皆テクノロジスト(高度技能者)すなわち知識労働者と考えてもよいでしょう。それゆえ、ドラッカーのモチベーション論は今日の日本企業に役立つのです。

(2)ドラッカーのモチベーション論の2つのポイント

 結論から言えば、ドラッカーのモチベーション論のポイントは2つあります。今日の日本企業の社員はテクノロジスト(高度技能者)、すなわち①知識労働者としてマネジメントされるべきなのです。その知識労働者のモチベーションには、②仕事そのものから満足を得る「働きがい」が最も重要なのです。

2.会社を成長・発展させるのは知識労働者

“企業、政府機関、NPO(非営利組織)のいずれであれ、マネジメントの定義は一つしかありえない。それは、人をして何かを生みださせることである。今後、組織の競争力はこの一点にかかっている。もはや経済学の言う生産資源、すなわち土地、労働、資本からの競争優位は得られない。
(中略)
今や唯一の意味ある競争力要因は、知識労働の生産性である。その知識労働の生産性を左右するものが知識労働者である。”

(資料出所:『明日を支配するもの』1999年、P.F.ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社。はじめにPixより引用。)

(1)知識労働者とは何か?

 一言で言えば、専門知識を持った労働者です。①社会的に専門家として評価される者(科学者、医師、弁護士等)やホワイトカラーだけではなく、②テクノロジスト(高度技能者)をも含む概念です。
(資料出所:『明日を支配するもの』1999年、P.F.ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社。)

A.知識とは

 ドラッカーが知識労働者というときの知識は、一般的な知識ではなく「専門知識」です。

“効用としての知識、すなわち社会的、経済的成果を実現するための手段としての知識である。”

(資料出所:『プロフェッショナルの条件』2000年、P.F.ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社。P24より引用。)

 ドラッカーは、知識が経済活動の中心的な資源であると主張します。土地(天然資源)、労働、資本は二義的な要素であるとします。(それらの生産要素は知識さえあれば入手可能なので、二義的である。)

B.知識労働者の範囲が広がった

 ドラッカーの著作が発展するにつれて、知識労働者の範囲は広がっているように思います。『プロフェッショナルの条件』2000年、P.F.ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社では「知識を要する仕事はすべて知識労働である。」というレベルになっています。

(2)ドラッカー知識労働者の特徴

 ドラッカーの知識労働者論を説明していくと、資本主義から知識主義へと社会が変革した等のあまりにも広い範囲に言及することになります。したがって、簡単に列挙するにとどめます。

①知識という生産手段を持つ
②知識は携行可能(知識労働者は流動性が高い)
③組織と共生関係にある
④組織より長生きする

3.日本企業の社員はみな知識労働者である

 今日の日本企業の社員は、ほとんどが知識労働者に該当します。

 その理由は、肉体労働をともなうテクノロジスト・高度技能者も知識労働者としてマネジメントすべきだからです。工場の肉体労働者であっても、改善活動に参加するようなレベルの社員は、テクノロジスト(高度技能者)です。
つまり、入社数年を経た社員は、皆テクノロジスト(高度技能者)と考えてもよいでしょう。

(1)テクノロジスト(高度技能者)とは

 テクノロジスト(高度技能者)を知識労働者とすることで、ドラッカーのモチベーション論が広い範囲で応用可能になります。
(資料出所:『明日を支配するもの』1999年、P.F.ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社。)

A.テクノロジスト(高度技能者)の定義

 肉体労働も行なうが、知識労働も行なう労働者。基本的に知識労働者としてマネジメントするべき。

B.テクノロジスト(高度技能者)の例

 病院の検査技師、リハビリ訓練師、レントゲン技師、歯科関係者、自動車修理工、コンピューター・プログラマー、コンピューターのオペレーター、事務員(読み書きという知識は経験では身につけられない)など。

(2)3種類の知識労働(者)

 知識労働(者)には3種類あります。具体的には、次の通りです。
(加藤注:テクノロジスト・高度技能者よりも知識労働部分が少ない労働者も、知識労働者として考えるべき状況が多いです。特にサービス業では顕著です。)

(資料出所:『プロフェッショナルの条件』2000年、P.F.ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社。P60,61より。)

A.仕事の成果を純粋に「質」で問われる知識労働

 研究所の仕事、戦略計画策定、医師の診断、雑誌などの編集。

量的成果は、質に較べればまったく二義的。

B.仕事の成果を「質」と「量」で問われる知識労働(者)

 建築デザイン、製図、医療技師、工場技術者、証券会社や銀行の支店長、看護士、デパートの店員など、広範な知識労働。

(加藤注:前出のテクノロジスト・高度技能者に相当すると考えられる。)

C.仕事の成果を「量」で問われる知識労働者

 病院のベットメーキング、生命保険会社の保険金支払い係りなど。

質は前提条件・制約条件。成果のほとんどは量で定義される。

4.リーダー・管理者に役立つ参考書籍

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