「勝利が全てではない、熱意を持って努力するプロセスにこそ価値がある。」ビンス・ロンバルディ。この価値観を企業経営の場で考えると、次のような叡智に行き着きます。

  • 組織メンバーが熱意を持って努力するためには、良い価値観でリードすることが重要である。
  • とにかく短期的に儲ければよいと考えると、その場しのぎの方法に逃げたくなるが、それは持続的成長につながらないため避けるべきである。

1.Winning isn’t everything:熱意を持って努力するプロセスにこそ価値がある

 アメリカンフットボールは企業経営に例えられます。また、その合理性に満ちた取り組みや勝負へのこだわり、勝者と敗者のドラマから人生(大切な価値観)を教わりました。

 Winning isn’t everything, but the will to win is the only thing.
勝利が全てではない、勝とうとする熱意こそ価値がある。(熱意を持って努力するプロセスにこそ価値がある。)ビンス・ロンバルディ Vince Lombardi(NFLグリーンベイ・パッカーズの名コーチ)
。1960年代に全盛だったアメフトの名ヘッドコーチの言葉です。

(1)フェアネス:とにかく勝てば良いというのでは無い

 大変素晴らしい言葉です。何をやっても良い、とにかく勝てば良いというのでは無い!こういう価値観があるからこそ、アメリカンフットボールは、アメリカの国技なのです。
アメリカンフットボールの精神犠牲協働闘争

(2)企業経営:とにかく儲ければ良いというのでは無い

 この価値観を企業経営の場で考えると、次のような大切な価値観に行き着きます。

  • 組織メンバーが熱意を持って努力するためには、良い価値観でリードすることが重要である。
  • とにかく短期的に儲ければよいと考えると、その場しのぎの方法に逃げたくなるが、それは持続的成長につながらないため避けるべきである。
  • とにかく短期的に儲ければよいと考えると、狡いことをしたり顧客を騙したりという方法に逃げたくなるが、それは卑劣な価値観であり無価値。(組織メンバーはついてこない)

2.価値観を大事にしない企業は衰退する

 カリフォルニア大学バークレー校に短期研修に行った際に、サンフランシスコ近郊の鉄鋼関連企業を訪問しました(1994年1月頃)。当時は、ジャパン・アズ・ナンバーワンの雰囲気が残っていて、「日本企業のチームワークは最高である」と言われていました。その訪問時も、そのアメリカ企業から「我々はどうしても日本企業のチームワークには勝てない」と言われました。

Steelersロゴ 製鋼関係企業ですので、敷地内の至る所に私が大ファンのピッツバーグ・スティーラーズのマークが掲示されています。そこで、私も思い切って質問しました。
 「我々日本人も、チームワークに関しては、アメフトの①犠牲②共同③闘争の精神から学んでいる。アメフトを国技とするアメリカ企業が、なぜチームワークが悪いのでしょうか?」と稚拙な質問をしてしまいました。
 アメリカ企業の方は、やや困惑しながら「確かに、アメフトではチームワークの精神を大切にしている。しかし、我々は仕事をしているのであって、スポーツとは違うのです。」と答えました。

 仕事とスポーツが違うのは、私も百も承知です。しかし、あれ程アメリカンフットボールに熱狂しているアメリカ人が、仕事の場面ではアメフトの中心的精神であるチームワークをないがしろにする事に大きな違和感を感じていました。

3.大切な価値観:経営理念(ビジョン-ミッション)で組織活性化・働きがいを高める

 当時は、大ファンのファンのピッツバーグ・スティーラーズのマークが掲示されていたため、やや興奮しつつ稚拙な質問をしたのです。しかし、今振返ると、この問題意識はまったく正しかったのです。
 大切な価値観:経営理念(ビジョン-ミッション)で組織活性化・働きがいを高める戦略は、ポスト成果主義の切り札です。これは、単なるテクニック論ではなく、「経営とは何か」というレベルの深い問題意識なのです。

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