「超・成果主義」の問題形成のキーとなる部分をご紹介いたします。問題解決技法で人事改革を行ないましょう。「なぜ五回を繰り返し、問題の全体像・本質を把握」しない場合は、いくら頑張っても場当たり的な努力になりがちです。(ちょと理屈っぽいですがお許しください。)
 解りやすいチャート図やインフォグラフィックを多用し、少ない負担でお読みいただけるよう配慮いたしました。このページの問題解決的知恵の詰まったチャート図印刷して、「これは我が社に当てはまる、それは当てはまらない」とチェックしてみるのも簡単で効果的です。
良い成果主義と悪い成果主義の差異

1. 成果「査定」主義の崩壊

(1)成果のあがらぬ成果主義の矛盾

成果が上がらない成果主義の矛盾

(2)成果「査定」主義だからうまくいかない

古い管理概念、夜警的統制思考普通の成果主義-成果査定主義のスパイラルダウン

(3)真の高業績につながらない成果「査定」主義

成果主義は人をスポイル、エゴ過剰にする

2. なぜ成果「査定」主義は崩壊したのか

(1)成果「査定」主義崩壊の要因:フロー図

成果「査定」主義崩壊の要因:概要フロー図成果「査定」主義崩壊の要因-概要フロー図

成果「査定」主義崩壊の要因:詳細フロー図成果「査定」主義崩壊の要因-詳細フロー図

(2)飴と鞭の経済的刺激偏重の動機付け策の限界

 人と組織の活性化を果し、人的パフォーマンスを高めることで、経営戦略の実現・高業績の達成を目指すためには、総合的な取り組みが必要です。
 成果“査定”主義の中心的コンセプトである、「飴と鞭」の経済的刺激で社員を動機付け、労働効率をあげようとする施策には限界があります。確かに、一時的には人的パフォーマンスが高まったように見えますが、直ぐに新たなる怠業に落ち込みます。「飴と鞭」の経済的刺激で、何が改善・改革されたのかと聞かれれば答えに窮します。

 経済的刺激の「飴と鞭のマネジメント」で、企業業績が継続的に改善される程、日本企業のマネジメントレベルは低くないのだと思います。まだ、マネジメントレベルが発展途上である企業組織にとっては「飴と鞭のマネジメント」でカンフル剤を注射するのも効き目はあるのかも知れませんが、日本企業はもうそのような低レベルの問題で悩んでいるのではないでしょう。
 やはり、経済的刺激の「飴と鞭のマネジメント」という安直な施策では、得られる成果もまた上等なレベルではありません。
 高い賃金処遇を与えても、不満解消につながる程度で、仕事への情熱を高めることは出来ないという「動機付け-衛生理論」がF・ハーズバーグにより1950年代に既に発表され広く受け入れられてきました。これは、人事に関心のある方なら誰もが知っているはずだったのですが、なぜ経済的刺激に過剰に期待する成果“査定”主義を導入したのでしょうか?はやり、経済的刺激「お金」の魔力が、我々を成果“査定”主義へと引き寄せてしまったのでしょうか?まあ、確かにお金は非常に魅力的な麻薬ですから、無理もないことです。今の日本では、お金さえあれば何でも叶いそうな気がします。同様に、お金がなければ、惨めな思いをするようにも思えます・・・

 「あなたの賞与を増やそう、賃金を上積みしよう」と言われて、断る人は誰もいないでしょう。誰もがニコニコして嬉しがります。しかし、それは「もっと頑張って成果をあげれば、もっと沢山お金がもらえるからさらに頑張ろう」というエゴイスティックな喜びでしかありません。自分にとって、経済的に損か得か?という価値観でしかありません。「自分だけがもっと高い賞与・賃金をもらおう」という動機で、目標管理にとりくめば、その先には新たなる怠業:自分が高く評価されることを優先した「自分最適化」が誘惑してきます。会社組織が、一人ひとりのエゴイストの狩場になってしまいます。狩りとられたあとには、不毛の大地が残るだけではないでしょうか?
 その一方、収入が減る立場の方には、不満が直撃します。「目標達成度200%なんていってる奴、良く見りゃ目標設定がおかしいんだよ!真面目にガイドラインどおり挑戦的な目標を設定してる俺はどうなるんだ?」

 仕事への熱意が高まらない一方で、不満だけは確実に蓄積されます。このようにメリットとデメリットの釣り合いのとれない人事施策は止めた方が良いですね・・・

(3)成果“査定”主義が最新のマネジメントを阻害する

優れたマネジメント理論による高業績達成のための創意工夫・努力

成果“査定”主義の弊害

・信頼関係で知識創造

社員同士の競争意識が煽られ、信頼関係が崩れる。「自分と違う意見を尊重していたら、自分が負け組になる」「苦労して会得した知恵を、誰が好き好んで競争相手に渡すものか」

・組織の壁を越える協働

社員同士の競争意識で、孤立化・タコつぼ化

・顧客満足にフォーカスする

自分を査定する上司や目標という内部基準に焦点。「給料に差がつくのは、上司の査定。目の前にお客様はいない。」

・プロセスを改善して良い成果をあげる

本質的改善には時間がかかるので回避。「今季の業績目標達成が第一、将来へのカイゼンはやってる暇がない」「なぜ五回する暇があったら顧客訪問五回、もしくは残業五時間で短期成果を上げる」

・組織内の多様な知を尊びイノベーションを育む

上司や目標管理がルール、それ以外は無価値。厳しいノルマを課されれば余裕が無くなる。「コミットメント」という美しい言葉は結局「重いノルマ」でしかなかった。
自分と違う意見を尊重(多様性尊重)していたら、自分が負け組になる

・優れた企業ビジョンを行動に移す

目標達成のためには理念は後回し。(業績目標達成とは関係ない。「ビジョンは建前でしょ」←コンプライアンス上の問題が発生)

・チームワーク

社員同士の競争意識で、孤立化・タコつぼ化。個人業績にフォーカスして部下を煽る方が優先。チームワークは数値化できない(評価できない)ためマネージャーもチームワークを軽視。

・人材育成

結果だけを求め、プロセスを軽視「とにかく結果を出せ」では育たない。社員同士の競争意識で、孤立化・タコつぼ化(「後輩を育成したら俺が出し抜かれる」)

・貴重な暗黙知を開示し、共有化

社員同士の競争意識で、孤立化・タコつぼ化。「苦労して会得した知恵を、誰が好き好んで競争相手に渡すものか」

(4)成果主義成立の前提条件の無視

 成果主義成立の前提条件は次の通りです。日本ではその前提条件(外部労働市場、失敗に対する社会的寛容、職務主義のマネジメントなど)はほとんど整備されていませんし、日米の文化が違う以上効果的でもありません。

成果主義成立の前提条件の説明

3. 高業績達成をめざす「成果創造主義人事」

(1)成果「査定」主義を超えよ

成果創造主義のスパイラルアップ『超・成果主義』

高業績達成への視点の違い-良い視点-悪い視点

(2)成果創造主義人事の全体像

『超・成果主義』会社を良くする総合的チャート図

(3)成果創造主義人事で人事戦略のパラダイムを変える

成果創造主義人事でパラダイムを変える『超・成果主義』

(4)成果「査定」主義と成果創造主義人事の相違

成果「査定」主義と成果創造主義人事『超・成果主義』の相違
普通の成果主義-成果『査定』主義は成果向上しない『超・成果主義』は成果創造主義-成果を創造する人事戦略

(5)高業績達成行動と知識創造活動への動機付け

良い成果主義は組織的な問題解決のシステム

4. エピローグ

(1)高業績達成マネジメントと人事管理機能の統合

(2)成果創造主義人事システムの総括

(3)真の高業績達成をめざして

総合的人的生産性向上戦略チャート図
4 人事とは経営そのもの
『超・成果主義』書籍の表紙と裏表紙画像